IT活用の進め方(その2)

 前回、IT活用の基本として「ITは道具である」という心構えをお話しました。また、その考えを社員全員に受け入れてもらうには、時間をかけて業務改善と意識改革を進めていく必要があることを述べました。

 今回は、心構えができている(もしくは準備し始めた)段階であることを前提に、IT活用をすすめるためのポインをお話します。

 それは、つまり目的を明確にすることです。それも会社全体での目標と整合性がとれていることが肝要です。部分的な業務改善をあっちこっちバラバラの方向でやっていると、効果がでないどころかお互いのシステムで足の引っ張り合いになるおそれもあります。

 

最初に業務目標を考え、それを満たすための業務手順を決め、それを補うためのIT活用を考えるという段階を踏むべきであるということです。この考えが浸透 し、当たり前のこととして実践されていたならば、IT活用度は現状ほど低くないでしょう。厳しい言い方ですが、ITベンダーの売り文句にほだされ、システ ムを導入してから、あと付で業務手順の見直しをしているのではないでしょうか?自社開発でもやるべき業務、やったほうがよい業務、不要な業務を区分けせず、ともかく今ある業務をそのまま電子化しているシステムがいかに多いことか。よって、不要な機能のために無駄な開発費を支払ったり、データ変換や打ち直しなどで余計な作業が生じたりしています。これでは、IT活用の足を引っ張る要素を逆に作り出していると言えるでしょう。

 では、どのように目的を考えるのでしょうか。IT(情報技術)活用ですから、情報を生かせるようにするにはどうすればいいのかを考えるようにしましょう。改善を達成するための活用の目的を、明確にしておくことが重要なのです。
 例えば、営業チャンスをできるだけものにする、機会損失を少なくする目的であれば、営業情報をできるだけ早く多くの関係者が共有できるような仕組み作りがIT活用の目的となります。ITを使わなくても、回覧板をまわしたり、朝のミーティングをしたり、掲示板をつかったりという方法もあるでしょう。目的が明確で
あれば、手段はあとから選べます。にもかかわらず、情報共有ならグループウェアなどと思い込んでいたり、やベンダーからの誘惑に乗っている会社がとても多いように思えます。

 ITを活用するという結論であったとしても、情報共有だけが目的でしかも一方
向(情報発信のみ)でよいならば、メールで一斉配信するだけでも十分でしょう。んな情報をどのような目的で共有したいかが明確であれば、ITシステムは必要最小限のコストでできるのです。

 目的を明確にするのはどうすればいいでしょう。答えは簡単です。現状の問題点を明確にしましょう。問題があるから解決することが目的となるのです。ところが、現状の問題点を把握しているとは言いがたい話が多くあります。システムありきで話が進む場合は、ほぼ間違いなくこのパターンです。目的が無いからシステムを入れるだけで終わるのです。最悪の場合、システムを導入や開発することが目的になっている場合すらあります。そのため、活用のためのフォロー体制(ヘルプデスクや操作教育)がない会社が多いのです。

 目的をはっきりさせるには、問題点をはっきりさせる。問題点をはっきりさせるには、現状をしっかりつかむ。当たり前ですが、できていないことだと思いませんか?

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