電子納品と写真管理(工事中)(その4)

 前回まで3回にわたり、工事中における写真管理の話を行ってきました。今回はその他の工事書類の話をします。

 写真以外も工事書類は未整理のまま竣工を迎えると大変なことになります。ポイントは4Sです。

1.整理

 作成する書類にいらない書類はないですが、電子納品に必要な書類と工事中のみ必要な書類(別の言い方をすると電子納品にはいらない書類)は分けることができます。これが整理です。

 紙書類であれば、ファイリングの際に「施工中のみ」と「電子納品対象」と分けたファイルを作成し、対象書類をそれぞれに閉じるようにします。電子データであれば、電子納品対象フォルダを作成したうえでその中に必要書類データをコピーして保存します。電子データの場合は、コピーが容易なので、基本的な施工管理をしやすいようなフォルダ構成にしたうえで、日常はそのフォルダ内で業務をすすめ、電子納品対象書類のみ作成後、コピーして別フォルダに保存するほうが容易に管理できます。この際のポイントはある程度完成したと思ったら電子納品フォルダに入れることです。きちんとできてから入れようと思っていると竣工まで入れないことが多いです。修正したり完成度が上がったら、上書きすればいいだけなので、形ができたらすぐ入れるという習慣をつけましょう。

 なお、発注者によっては、工事中の情報共有(いわゆる承認願や報告書等の電子データ提出)で提出した書類は最終の電子納品に不要なことがあります。そのような書類は別途納品済みフォルダを作成して分けておくことを心がけましょう。

2.整頓

 整理で分けても漠然と閉じているのでは、電子納品の際に必要書類があるのかどうか確認する手間が生じます。そこで、工事のできるだけ早い段階で電子納品に必要な書類の一覧表を作り、工事中に作成したら一覧表を随時チェックすることが大切です。

 事務所に書庫を整備できるのであれば、パイプ式2穴ファイルに背表紙をつけて、必要な書類の受け皿を先に作ってしまうのがおすすめです。最初は大分類で1冊ずつ作り、書類が増えてきたら分冊化すると無駄なファイルを用意せずに済みます。

 データの場合は先ほど作った電子納品対象フォルダに日本語名でわかりやすいフォルダ名をつけて分類できるようにしましょう。その際には先頭に二桁の数字を入れておくと任意の並び替えができるので便利です。(数字の昇順で並べるので頻度の高い書類を名前に関係なく上位に表示できる)

 全体像が分かる形というのはなかなか大変ですが、できてしまうと書類管理はとても楽になります。整頓をするのと同様、何をどこにしまうのかわかるようにしましょう。

3.清掃

 書類をきれいにするわけにはいきませんが、インデックスや書類一覧表を作ることは見た目をきれいにすることにつながります。特にインデックスは中間検査や社内検査の時に活躍しますので、ある程度書類がファイルの中にたまってきたら作るようにしましょう。

 同種工事のインデックスをエクセルで一覧表にして取っておくとその後の工事の際に大変役立ちます。自社で得意な工種の工事は標準インデックスを社内で作ってくおくといいでしょう。

4.清潔

 きれいさを保つという意味で、無駄な書類や不足な書類がないか定期的に確認することも大切です。特に工期が長い工事だと最初の書類作成と少しずつ必要書類が違っていくこともあります。1か月に1度ぐらいの頻度でざっと見直して、書類の過不足がないかを確認しましょう。

 少し大きな現場の場合は複数の担当者がいると思います。この場合は、お互いの担当の書類を相互チェックすることで全体のレベルの統一感を出すようにするといいです。小規模な現場であれば、本社から定期的に書類チェックを行うような体制があると現場の安心感は増します。安全パトロールや品質パトロールの中に組み込んでいくことをおすすめします。

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