電子納品と写真管理(竣工後)

 今回は、竣工後の電子納品についてお話をします。

(1) 電子納品データの一元管理

 まず、真っ先に行うことは工事関係者以外でもわかる場所に電子納品作成データを保管することです。電子納品データのメリットはデータ内容を閲覧ソフト等で簡単に見れることにあります。できれば社内に最低1台は見れる環境を整えておき、誰でもみれるようにすることが望ましいです。

 実際に電子納品はやって覚えるという部分が大きいため、成果品をできるだけ、他の社員にも見れる状態にしておくことは仕様書や基準だけではイメージできないものをわかりやすくできます。

 ラベルがきちんとしたものを共有する必要はないので、社内控えをもとにDVDもしくはCDにコピーしたものを共有します。本来ならハードディスクに入れておければいいのですが、多くの電子納品形態がCD-RやDVD-Rによるメディア納品のため、ハードディスクにコピーしてもうまくいかないことがあります。そのため専門的な知識を持つ社員がいない限りはメディアの状態で保管することおすすめします。

 なお、閲覧性を高めるために、電子納品管理台帳を作成し、工事名、工事期間、発注者名、使用した仕様・基準等が記載された一覧表を作成しましょう。

(2) 電子納品作成の作業記録

 電子納品に関連した作業記録を残しましょう。使用したソフトや成果品作成に要した時間、作成部数やラベルに使用したプリンターや印刷ソフトなど次の工事に参考になることばかりですが、記録を残すことはありません。結局。担当者の記憶に頼っていることが多いので、結果として、毎回はじめて行うような苦労をしているようです。

 特に作成時に気付いて確認した発注者別の工事番号や発注者オリジナル書式などは基準や仕様書では気づきにくいことなので、メモしておくといいです。事前協議書から変更した点(紙納品の追加等)も記載しておくと次の協議でも有利に話を勧められます。

 できれば、作成した作業記録は先ほどの電子データ同様、一か所にまとめて閲覧できるような仕組みを作っておきましょう。

 また、外注した場合は、外注業者の企業名、連絡先、担当者名、依頼内容、準備内容、かかった時間、かかった費用、依頼時の留意点等をまとめとおきましょう。竣工前にバタバタしないためためのポイントです。

(3) 不具合、ミスのまとめ

 システム上の不具合だけでなく、自社のミス(写真不足、写真の読み込みエラー)等、作成の際に実際に体験したものを記録しておきましょう。特に仕様書には書かれているもののシステム上ではうまくいかないのような裏情報は忘れずに書いておくようにしましょう。

(4) ミニ勉強会

 電子納品に関する話は竣工報告会のようなもので報告できればいいのですが、出来ない場合は、定期的に電子納品対象工事の竣工経験者による勉強会を実施しましょう。資料は上記の電子納品コピー、作業記録、不具合事例です。

 実際にかかわっている人でない限り、細かい話はピンとこないのがこの電子納品作業なので、現在電子納品対象工事に関わっている人やこれから関わる人には詳しく、そうでない一般社員には概略とポイント(いつぐらいから竣工準備をしたか、発注者との円滑なやりとり)について話するなど内容をわけることをおすすめします。

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