電子納品と写真管理(竣工時)(その2)

 前回に引き続き、竣工時のポイントについてお話しします。今回はCDもしくはDVDである記録メディアに関してです。

(1) 納品部数、メディア部数

 意外と直前まで確認を忘れがちなのが、この納品部数とメディア枚数です。正副の2部が一般的ですが、メディア保存のためにメディアだけ1部追加ということが多いです。さらに、発注者側が写真関連だけ1部欲しいという話も出てきます。メディア部数に関しては納品直前に再度確認することをおすすめします。

 忘れがちなのが自社の部数です。JVだとJV参加企業数分必要になることもあります。メディア購入の際にまとめ買いすると安いので部数をきちんと決めてから購入しましょう。

(2) CD(もしくはDVD)メーカー

 できるだけ、いいものを購入してください。理由は受注者側のシステムでいくらOKでも発注者側のシステムでOKがでなければだめだからです。安いメディアはDVDドライブを選ぶことが多く、エラーを出しやすいです。動作確認や中間検査時はあまり気にしなくてもいいですが、電子納品用はいいものを購入してください。

 一番人気は太陽誘電のThat’sブランドですが、実際には太陽誘電は他のメーカーにもOEM供給しているのでもとをただせば国産メーカーであれば、そう大きくはずれないようです。

(3) 書込み速度

 基本的にはCD-Rの書込みソフトの自動速度にしておけば、大きなエラーは発生しません。ただし、それでもエラーが起きる場合は低速に落として書き込んでましょう。メディアには48倍速まで対応可能とか書かれていますが、実際には16倍速ぐらいで書き込んでも十分に早い(1枚5分程度)です。

(4) 書込み時の環境

 できれば、ウィルスチェックソフト以外のソフトはすべて終了して置きましょう。以前はウィルスチェックソフトも書込み時には終了したほうが望ましいと書かれていましたが最近はほとんど問題はないようです。セキュリティ上できれば残しておきましょう。

 書き込み中は暇なのでつい、他の作業を行いたいところですが、ここはがまんしてパソコンは書込み専用で使うようにしましょう。

 また、パソコン自体が複数ある場合はできるだけ性能の高いパソコンで書き込みましょう。メモリによるエラーやパソコンの処理能力不足によるエラーを回避しやすくなります。

(5) 書き込み形式

 特に明記している仕様書はないのですが、原則ディスクアットワンスつまり追記禁止形式で書き込むようにしてください。トラックアットワンスのような追記可能形式でも問題ないこともありますがディスクアットワンスのほうが問題は少ないようです。

(6) ラベル

 ラベル原則、メディアに直接印字することになっています。シールでもいいというところもありますが、シールが部分的にはがれてドライブ自体がダメになったと話もよくあるので、必ず直接印字しましょう。

 ただし、メディアに直接印字できる機能がついているプリンターはインクジェットプリンターか専用のラベルプリンターです。企業ではほとんどレーザープリンターしかないため、ラベル印字のためのインクジェットプリンターがないことが多いです。値段はそう高くないので準備することをおすすめしますが、書込みと印字をセットで行ってくれるサービスを提供しているところもありますのでそういうサービスを利用するのも一つの手です。

(7) 収納ケース

 収納ケースは発注者指定の場合が多いのであまり問題がありませんが指定がない場合は、読み取り面をきちんと保護してくれるものを選びましょう。特に安いビニール製のものを購入すると数年で取り出しにくくなることもあります。注意してください。

 メディアは発注者側のチェックソフトでエラーを出すと書き込み直しの時間がなかったりすることが多いので、いいメディアを使って低速で単独の環境で書き込むように心がけてください。

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