電子納品と写真管理(竣工時)

 電子納品と写真管理もいよいよ竣工時のポイントになります。工事中に準備を進めていたら、竣工時の負荷は最小限になっていると思います。とはいえ、何もしなくていいわけではありません。最大の障壁がチェックソフトです。今回はチェックソフトに関するポイントをお話しします。

(1) チェックソフトの動作確認

 「電子納品と写真管理(工事中)(その2)」のときにお話ししたようにチェックソフトはきちんと動かないことが往々にしてあります。OS(基本ソフト)の種類やブラウザのバージョン(インターネットエクスプローラーの番号)、ライブラリ(Java)等の環境が推奨環境と異なることでダメになる場合はもちろんですが、あるソフトとの相性(Adobe Reader)でチェックはできるが結果が閲覧できないなどの不具合が発生する場合があります。

 仕方のないことなのですが最近はセキュリティの関係上、自動的に環境をバージョンアップしてしまうことがあるため、着工時に動いたと安心していたら竣工時には動かなかったということもよく聞きます。

 できれば、チェックソフトを動かすパソコンはチェック専用として、インターネットには接続せず、自動的にバージョンアップしなくてもセキュリティ的に問題ない状態にしておくか、「電子納品とXPモード」でお話ししたようにWindows7にXPモードの環境を入れておくことが望ましいです。

 しかし、パソコン1台を専用にすることやXPモードを準備することは予算や技術的になかなか敷居が高いです。代わりの方法として定期的(1か月に1度程度)にチェックシステムを動かしてみて不具合が出た時点で発注者と協議することですが、現実には竣工時まで気づかないことが多いです。早めの動作確認をおすすめします。

(2) チェックソフトのバージョンアップ確認

 上記の動作確認で不具合が出るかどうか別にして、機能追加や動作環境の緩和等のためにチェックソフトがバージョンアップされていることは少なくありません。竣工時のチェック前に必ず最新版がないかどうかを確認することが大切です。

 バージョンアップによって、以前はできなかった新工種の追加やファイル容量の制限緩和、DVDメディアへの対応などができるようになっていることもあります。特にファイル容量の制限緩和は紙書類をスキャナーで取り込んでPDF化したものが多い場合に有効です。ひとつのファイルの容量が増えるので分割数が減り、管理が楽になるからです。また、CADデータでも地形図を背景に使ったものが大きなファイルサイズになることがありますが、容量制限のために解像度の低くしていたものを高くすることができます。無駄に大きい容量のファイルも困りものですが、一つの書類を分割しなくて済んだり、細部まで見える地形図を添付できるのは電子納品としてより良い方向だと思います。

 ただし、チェックソフトのバージョンアップは発注者側の担当者に連絡が回っていないことがあります。必ず、チェックソフトの担当窓口に直接問い合わせるようにしましょう。発注年度や対象仕様書によってはバージョンアップできないこともあります。対象工事の基本情報(発注年度、工期、対象仕様書)をまとめてから確認すると無駄なことにならないです。

 また、バージョンアップに伴って、事前に渡されているチェックソフトの暗証番号が使えなくなることもあります。担当窓口に確認の上、現場担当者に新しい番号を発行してもらうようにしましょう。

(3) メディアに書き込まずにチェック

 写真の画素数があがることで鮮明な写真が撮れるようになったのですが、CD-Rの枚数は増加の一途をたどっています。発注者によっては大きすぎる画素数の写真は仕様書で禁止している場合もありますが多くは最低画素数が記載されているだけです。

 このため、チェックソフトがCD-R等に書き込んだのちしかチェックができないものだと複数枚のCD-Rを何回も書き込む必要が出てくる場合があります。

 そこで外付けハードディスクや仮想ドライブで擬似的にCD-Rを装うことで書き込まずにチェックできるかどうかを確認することがポイントです。外付けハードディスクの場合OS(基本ソフト)の隠しシステムファイルのためにチェックできないことが多いのでおすすめは仮想ドライブです。これは専用ソフトもありますが、NASなどで作れるネットワークドライブが比較的容易にできるのでおすすめです。ただし、ドライブとして認識するかどうかはソフト次第なので、ご注意ください。これができるとチェック中はCD-Rが不要になるのでとても楽になります。もちろん、できない場合は無理せず大変でもCD-Rに書き込んだのちチェックしてください。

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