前回、「見える化」の進み方の4つ目のステップとして、ギャップ分析を行ったのち、根本原因の追究と対策立案のお話をしました。得られた結果は
・根本原因の明確化
・あるべき姿への対策立案
の2点です。今日は、次のステップをお話しします。
5.対策実行(管理指標)
さて、目標設定も対策立案も完了し、あとは実行するだけです。でも、ちょっと待ってください。目標というゴールまで道筋を確認せずにすすんでもいいでしょうか?
もちろん、回り道が必要な場合もありますし、一本道の場合もあるでしょう。でも、今は全体のどの辺にいるのかがわかっているのはとても大事なことだと思います。そのために必要なのが管理指標を用いた、進捗測定と効果測定です。
たとえば、目標がディズニーランドへの到着として、漠然と高速道路を走っていたらどうでしょう?不安がつのるばかりではないでしょうか。それが、距離という管理指標があり、全体が300kmとわかっていたらどうでしょう。100kmで3分の1、150kmで半分と目標への到達度がわかって、とても気持ちが楽になるし、運転への負担のかけ方も調整できると思います。これが進捗測定の例です。
今回は「属人化の排除」なので、管理指標をたてるのは難しいかもしれませんが、たとえば、効率化というキーワードから時間短縮を指標にするのもいいかもしれません。これは、元のベテラン担当者ができた時間にどれだけ今回の見える化で近づけるかというものです。これが効果測定です。
管理指標には、このように進捗測定と効果測定の2種類があります。両方設定できることが理想ですが、どちらか一方でも設定することが大事です。「属人化の排除」という見えづらいものを指標で「見える化」するということが対策を実行していくうえで重要なのです。
次にこの管理指標を測定するタイミングが必要となります。これがマイルストンです。日本語では一里塚というのと同じ意味ですが、今回はどちらかというと時間軸でどの時期に測定するかということ
を設定することを意味します。
頻度を多くすれば、進捗や効果は見えやすいですが、手間がかかりすぎます。逆に頻度を減らすと進捗や効果が見えにくく、想定している目標に達成できないときの対応に遅れが生じやすくなります。
なかなか決めづらいのですが、測定のしやすさも考慮して、全体スケジュールを4等分から10等分ぐらいするのが目安となると思います。具体的に言うと1年間なら四半期から毎月、1か月なら1週間ごとか3日毎といった感じです。
どうしても、測定タイミングを増やしたいのであれば、それに伴って、測定方法を容易にできる方法を考えるように心がけましょう。ものによっては、ITツールの活用も検討するのもいいと思います。
管理指標の設定と測定タイミングの設定をおろそかにすると、効果や進捗が見えなかったり、「見える化」は負担がかかるものだというマイナスイメージが大きくなり、成功率が下がってしまいます。
ただ、対策の内容を粛々とこなすのではなく、その状況をも「見える化」することが大事なのです。