前回に引き続き、電子ファイルの整理方法についてお話しします。前回は、フォルダの分類ルールでした。いくつかの基準を定めておいて、その空フォルダをひな形として用意することで、もれやダブりがなくなることや未整理フォルダで行先のないファイルを保存する方法をお話ししました。これでとりあえず、ファイルは一定の場所に保存されるようになったはずです。次は名前の付け方を考えましょう。
2.フォルダ・ファイル命名ルール
名前の付け方にもポイントがあります。特に重要なのが並び順です。しかし、普通に漢字を使って名前を付けるとわかりやすいのですが、文字コード順に並んでしまうので必ずしも思いのとおりに並びません。たとえば、「着工書類」と「竣工書類」というフォルダをつくって、並び替えをすると「竣工書類」フォルダが先に来て、「着工書類」フォルダがあとにきます。これは「竣」が「着」より文字コードが小さいためです。でも竣工が先というのはいただけません。そこで、
・英数字を頭につける
ことで任意の順番を作り出すことがポイントとなります。具体的に言うと「01着工書類」フォルダ、「90竣工書類」フォルダといった具合です。こうすることで漢字で表記する見やすさも維持しつつ、並び替えも自在にできるようになります。もちろん、前回お話ししたように、期間別、提出先別、使用頻度別の組み合わせを考慮して、すべてを親フォルダにするのではなく、いくつかのグループに分けて、サブフォルダに入れてしまいましょう。
また、「99未整理」フォルダのように必ず最後の番号は未分類用のフォルダにすることで、分類に困ったときにいれる場所のルール化をしましょう。サブフォルダまで分類できるのだけど、そこからが難しいといった場合は「99その他」フォルダを作ることで探しやすくしましょう。
フォルダを番号を付けて、整理する際に似たような時期に同じぐらいの量のファイルを作成するフォルダがあるとします。そのようなものの番号は
・使用頻度の高いものに小さな番号をふる
ことで、閲覧の負担を減らすことができます。エクスプローラーで表示する際に使用頻度の高いものが上にありますので、上から順にみることで見つける確率がぐっとあがるのです。やってみればわかりますが意外と探す手間が減るこの負担軽減は大きいと思います。
さて、経理書類や事務書類など、定常的なものはいいですが、プロジェクトやキャンペーンなどの一時的なものにも番号を振っていたらは番号ばかり増えて困ることになります。そこで、
・定常的なフォルダ・ファイルは番号を先頭につける
・一時的なフォルダ・ファイルは日付を先頭につける
といった使い分けをします。ひづけは今なら西暦を2ケタにして月日を4ケタにして、合計6ケタであらわすことが一般的ですが、2000年以前の情報を扱うときは、西暦を4桁で表すか、いっそ和暦でH10といった感じで3ケタにする場合もあります。この辺りは、日ごろ書類への記入や関係者とのやりとりを踏まえて、決めることをおすすめします。さらに一時的なフォルダ・ファイル名は、
・一目でわかるようなキャッチコピー的な名前をつける
ことを忘れないでください。その場の思いつきで、「1221受取」などとありきたりのフォルダ名をつけると1か月もしないうちになんの意味かわからなくなります。その時は手間でもそれなりに意味の通る名前をつけるように心がけましょう。
これらの命名規則は、文書化して、共有フォルダのトップに保存しておき、いつでも参照できるようにしておくことも重要なポイントです。