高速モバイル通信(その2)

 前回に引き続き、現場のネット環境のための高速モバイル通信についてお話しします。

 前回は全体像と現場での主な利用例についてお話ししました。今回はサービスを選択する際のポイントを紹介します。

(1) 通信サービス提供会社

 まずはどこが提供しているかを確認しましょう。高速モバイル通信サービスは大きく2つのサービスがあります。ひとつは携帯電話会社が提供しているものです。具体的にはドコモ、ソフトバンク、イーモバイルが、昨年から今年にかけてLTEという通信規格に基づくモバイル通信を提供しています。なお、auはデータ通信端末としては3G+WiMAXで提供しています。(au4GLTEは現在、iPhone5のみ)LTEは100MBps 以上のスピードを提供する予定ですが、その通信量ゆえに通信量制限をかけることになっています。

 もうひとつは、モバイル通信を専業で提供しているUQ WiMAXが提供しているサービスです。こちらはモバイルWiMAXと呼ばれる通信規格を使っています。通信量制限はないですが、上限スピード40MBpsです。WiMAXはパソコンに内蔵されていることもあり、特定のパソコンだけで通信をしたいのであれば周辺機器が不要なのがいいです。ちなみにUQ WiMAXはKDDIの関連企業なのでauがWiMAXなのは至極当然といったところです。

 基本は上述した5社なのですが、少し話をややこしくしているのが、インターネットプロバイダーと呼ばれる企業の高速モバイル通信サービスです。@niftyやbiglobeなどで提供されているサービスは上記企業の回線を使って提供しています。料金はケースによってお得になる場合もあります。固定回線や他のサービスで利用している場合はサービス内容を確認してみてください。

 WiMAXに関しては、さらにヤマダ電機やビックカメラなどの家電量販店もサービスを提供しています。公衆無線LANサービスとの組み合わせを考えるとお得な場合もあるかもしれませんが、頻繁に移動しない場合は大きなメリットはなさそうです。

 選択の第一候補は会社もしくは自分が今使っている携帯電話会社になります。後述するエリア次第では変える必要もありますが、支払いやスマートフォンとの連動を考えると一番の選択になると思います。

(2) 通信エリア

 サービスの選択をする最大のポイントは通信したい現場が通信エリアに入っているかどうかです。都心の現場はともかく、地方の現場は厳しいことが少なくありません。また、最近話題のLTEに関してはまだエリアが広いとは言えないので、最速だからといって、安易に選択するのではなく必ずエリア確認をしましょう。

 携帯電話会社のサービスには少し低速になりますが比較的エリアの広い3G回線もいっしょに提供しています。メールやWebサイト閲覧程度であれば、十分な速度ですので、通信エリアは3Gエリアも含めて検討してください。ただし、山間部では、エリア内でも通じにくいことがありますし、そもそもエリア外も少なくありません。ちなみに人口カバー率100%とは、全国にある市町村役場(支所等も含む場合もあり)周辺で電波が通じることであり、地理的にその町全部が通信エリアになるわけではないので注意が必要です。

 選択のポイントは、本社・事務所・現場など自分たちが利用する場所で通信エリアがあるかどうかです。できれば、より高速なサービスがあるほうが望ましいですが、それよりは自分が行くところでは必ず使えるほうが大切です。各社が提供する通信エリアマップで確認しましょう。

(3) 通信料金

 いずれのサービスも定額制が基本です。添付ファイルの少ないメールを1日1回程度であれば、2段階定額制など基本料金が安いものでもいいかもしれません。ただし、2段階定額制の上限は月定額より高いですので、通常は月額一定のものをおすすめします。金額は月額4千円~6千円程度です。

 また、1年や2年など契約を維持する条件で割引をする制度があります。確かにサービスは毎年よくなっているので、2年変更できないのは心配といわれるかたもいますが私の経験からすると毎年、契約を変えるほうが大変だと思います。特に問題なければ、割引制度を利用することをおすすめします。

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