ビジネスメール(その4)

 前回はメール本文の最後に記載する署名について紹介しました。今回は、件名についてお話します。

■件名

 みなさん、件名は意識して書かれていますか?たぶん、多くの方々はメールの本文を要約したものを書かれていると思います。しかし、中には無関係な過去のメールの返信を使って、タイトルはそのままといった方もいらっしゃいます。ごあいさつを書かれているような場合もあります。また、少数ですが、メールに不慣れな方は件名なしで送信されている場合もあります。

 しかし、最近の迷惑メールはまことしやかなタイトルで内容を読ませようとしているものやタイトルなしで送信されていることが増えてきたため、普通のビジネスメールでも迷惑メールフィルターに引っ掛かり、肝心の相手に届くことなく削除されているケースも出てきています。初めてメールを送るとき受け取るときは細心の注意を払わないとこのようなトラブルに巻き込まることが少なくありません。

 まずは以前お話ししたようにメールソフトに自分の名前をしっかり設定することが一番大切ですが、件名も意識的な内容で必ず書くようにしましょう。件名をつける際のポイントを4つお話しします。

(1) 具体的に書く

 できるだけ、件名は具体的に書きましょう。たとえば、会議開催の出欠確認メールだとして「会議開催のお知らせ」と書くのではなく「12月14日の営業会議の出欠確認について」など一目で何の用事のメールかがわかるように伝えるようにしましょう。

 また、初めての方には会社名と自分の名前を件名に入れるなど迷惑メールと一線を画すような内容にしましょう。

(2) 【緊急】【重要】などを付記して注意を促す

 多くの社会人は一日何十通もメールを受け取ります。顧客からのメールや上司・同僚からのメールはもちろんのこと事務連絡やメールマガジンのようなものまでさまざまな種類のメールが届きます。

 そのため、思わず見落としてしまうということを発生します。その見落としを防ぐ方法としておすすめなのが【緊急】や【重要】、【要返信】【必読】などのキーワードを件名の最初に入れることです。やりすぎると重要性や緊急性が薄れてしまうので使い方には十分注意する必要がありますが、ここぞというときに使うとかなり効果があります。使うときの最大のポイントは文字の両側に【】文字のような記号を使うことです。記号がアクセントになり、他のタイトルより一際目立つものになります。

 できれば、社内でつける記号のルールを決めることでより認識率が高まると思います。大事なメールがうまく伝わらないのであれば提案してみてください。

(3) タイトルだけで用件を伝える工夫をしてみる

 件名で理想なのはその用事自体がすべて伝わることです。詳細は別にして、相手にしてほしいことを記載できればよりよいです。たとえば、先ほどの会議の出欠確認も「12月14日営業会議の出欠を明日までに要返信」といった形で返信してほしい内容や期日まで記載することも可能です。営業会議に出席するかどうかは内容によりけりであれば、内容をメール本文に書けばいいですし、内容は周知の定例会議のようなものであれば、本文自体は簡単なものにしてもいいのです。

 メールは本文を読むべきものだというイメージを持っていらっしゃる方も少なくないようですが、目的を達成するのであれば、タイトルがそのまま要件になれば、一番いいと思います。

(4) 文字数は20から30文字程度に抑える

 さて、(1)?(3)まで書いた内容からすると件名が長くなりがちです。では、どれぐらいを目安にすればいいかというと20字ぐらいが理想で最大でも30字ぐらいで抑えることが望ましいです。長いのがダメだというわけではありません。実際、メールマガジンや販促メールなどはもっと長いタイトルの件名が少なくありません。できるだけ本文を読んでもらうための誘導文を並べる必要があるからです。

 しかし、ビジネスメールでは複数の回答を求めるメールを送るケースは少ないです。一つの回答を求めるのであればさほど長文でなくても意図は表現できます。逆に長い場合は冗長な言葉が入っているのだと思って見直してください。

 件名は受信者の一番最初に届く情報です。重要性を再認識して、書き方にもう一工夫してみてください。

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