会議の効率化

 業務の効率化を考えるとき、意外な盲点会議です。
「そりゃ会議は業務ではないもの」、「営業会議は重要だからね」という方もいらっしゃるでしょう。いっぽう、会議の効率化を図るという名目で、テレビ会議や電子掲示板などIT化の例も聞きます。
 しかし、思ったような成果が出ないことが多いようです。なぜでしょうか。

 そもそも、会議とは「関係者が集まって相談をし、物事を決定すること。」ですが、ちゃんとそのような会議になっているのでしょうか。報告事項を連絡し、それをただ聞いてるだけで何も決めてはいない「報告連絡会」や、主催者が思いのたけをひたすら述べて無理やり合意を取りつける「独演会」になっていないでしょうか。これらは、IT化以前の問題であることはいうまでもありません。

 

会議は無料ではありません。多くの人間が、その時間拘束されているのですから、それなりに人件費がかかっています。特 に経営者層の会議なら、担当者会議の何倍もの人件費がかかっているはずです。しかし、その自覚をもって会議に臨んでいる人が何人いるでしょうか。中には、 ひどい勘違いをしている人がいて、会議を休憩時間のように寡黙に過ごしていますが、こういう人は参加するべきではありません。発言も承諾もしない人には、 あとから議事録を見せればよいのです。また、参加者には、時間的・空間的拘束による費用を意識させると効果があるかもしれませんね。(「この会議は2時間で10人が集まっているので人件費として10万円かかってます」等)

 安全向上会議、品質検討会議、営業会議と名目は様々ですが、会議の目的は「課題の発見・解消、企画立案」等であり、関係者が合意して何らかの結論を得るものです。
 この基本が欠落している会議が非常に多いのではないでしょうか。会議ではなく連絡会ならば、メールによる配布や社内ネットワークの所定の場所への資料保存で代用が出来ますし、独演会のようなものは、ブログやメーリングリストのような形でIT化できます。
 会議する必要があるのかをきちんと見極めないと成果は上がりません。

 もちろん、会議そのものの効率化にIT化は有効です。
事前に、資料をメール・社内サーバー等で配布しておけば、その配布と読み込みの時間が短縮されますし、議事録は会議中に打ち込んでプロジェクター等で表示し、内容確認を会議の最後に行うことで、会議後の修正・確認が不要となります。また、議事録が電子化されれば、より多くの人に決定事項を連絡することが容易になるでしょう。また、遠隔地から人が集まらねばならない場合であっても、IP電話やメッセンジャーによるテレビ会議(Web会議)により、時間的空間的負荷を最小限にできます。メンバーの都合のよい時間に、自分の居場所から参加できる電子会議室ならば、時間的空間的制約すら取り払えるのです。

 大切なのは、各々の会議の目的を明確にし、必要なメンバーが最小限の時間・労力で結論を出せるルール作り(事前資料作成、ファシリテータ[司会、議事進行役]決定、議事録作成)、これを厳守させる環境づくりなのです。これができなければ、会議はうまくいきません。特に、会議前の事前資料作成のルール厳守が、成功の鍵になるでしょう。(個人的には、事前資料がない場合は、会議開催を中止するぐらいの強制力が必要だと考えます)

 上記のように見極めれば、多くの会議とそれに付属する集まりはおそらく半分以下になり、参加者も少なく時間も短くなるはずです。そして、事前資料作成・議事録配布という会議の前後作業を確実に行うことで、より効果的な成果があがるでしょう。そうなれば、これらをIT化するのはさほど難しくありません。難しいのは、むしろこれらのルールや意識を維持し続けることです。
 会議を効率化したいと考える方はぜひ基本に戻り、自社で行われている会議の意味とルールについて一考していただけると幸いです。