業務改善のみせ方(その6)

 前回、「QC7つ道具」と呼ばれるものを紹介しました。これは、数値が測定できる定量的な指標に適用できるものです。しかし、業務改善は必ずしも定量的でないもの、いわゆる定性的なものもまとめていかなくてはいけない場合があります。今回は、そのような時に使える「新QC7つ道具」をご紹介します。(ただし、7つのうち、2つは定量的なものです。)

1.連関図法

用途:原因と結果、目的と手段など、関係のある事象が複雑に絡み合っている場合、その関係を明確にし、重要事象を見つけ出すのに使います。特性要因図のように1本の筋があるのではなく、網の目上につながるのが特徴です。

作図:図の中央に問題点や目的を、その周辺に関係する事象を配置します。そして、関係する事象同士を矢印で結びます。1つの事象から2つの矢印が出たり入ったりすることもあります。

2.親和図法

用途:ブレーンストーミングなどで出てきた様々な要素に対し、似通っているものをグループ化し整理する手法です。問題が混とんとして不透明な場合や、未知の問題に対して様々な予想が立つ場合などに使います。

作図:まずはカード形式に情報を書き出します。類似のカードを集め、その周囲を囲みます。グループを印象付けると共に他グループとの差を明確にするのです。

3.系統図法

用途:目的から手段を導き出したり、問題から原因を導き出す際に使います。枝葉のように手段や原因を増やすことにより、対象の全体像をつかみます。真の原因や、なすべきタスクを見つけるのに有効です。

作図:左中央に目的や問題を書き、そこから枝分かれするように、系統的に手段や原因を書き出します。1段階で終わるのではなく、さらにその下の階層を書いていき、テーマの深堀をしていきます。

4.マトリックス図法

用途:重要項目の評価や、2つの事柄の関係性を確認する際に使います。全体の関係から新たな関係則を発見したり、問題の別の視点を見つけることもあります。

作図:マトリックスは、行と列による2軸の交差表です。交差した箇所が、2つの事象の関係を評価する枠となります。○△□などで評価し、関係性を全体的に俯瞰するようにします。

5.PDPC(Process Decision Program Chart)法

用途:計画過程を図解する際に使います。特に、計画外の事態を考慮し、対策を網羅する際に使います。「過程決定計画図」(直訳)と呼ぶこともあります。

作図:一番上にスタートを、一番下にゴールを書き、その間の手段を順に書き出して、矢印で結びます。次に、それぞれの手段がうまくかなかった場合の代替案・対策を、矢印を分岐させて書きます。

6.マトリックスデータ解析法

用途:自社のポジションニング分析や品質項目の関連性を見つける際に使います。マトリックス図法と異なり、数値化して、2軸以上の交差も表現できるようにします。

作図:複数の評価軸を数値換算することで関係性をグループ化し、2軸での評価に落とし込みます。

7.アローダイアグラム法

用途:数学的に日程を出すため使います。PERT(略語参照)法を図解したものとも言えます。最短期間、最も管理すべき作業(クリティカルパス)等を発見できます。クリティカルパスを縮めることで、さらなる短縮が図れます。

作図:各作業は矢印で表し、矢印の両端に丸印をつけます。関係する作業を丸印と矢印でつなぐことで、全体の作業順序が決まり、最短期間を見つけます。

 建設業ならば、7番のアローダイアグラムは、工程管理のためぜひともマスターしたいですね。それ以外のものも、考えを全員で共有するときには便利なものばかりです。

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