バーコード(その4)

前回に引き続き、バーコードについてお話します。

前回はバーコードのアプリケーション規格であるGS1-128についてお話しました。今回は二次元バーコードについてお話します。

二次元バーコード

「二次元バーコードってQRコードのこと」と言われる方が多いと思いますが、QRコードは確かに二次元バーコードですが、実は他にも二次元バーコードはあります。

二次元バーコードは大きく2つのグループに分かれます。一つは一次元バーコードを縦に積み重ねたような形をしているスタック型2次元コードです。

もう一つは、QRコードと同様、データセルと呼ばれる小さい四角を縦横に並べたもので、マトリクス型2次元コードと呼びます。

PDF417

スタック型2次元コードの代表格はPDF417です。JIS-X0508で規格化されています。1989年に米国のシンボル・テクノロジーズ社で考案されており、電子郵便切手や運転免許書等にも使われています。パスポートの識別コードにも使われているようです。国際標準物流ラベルのEDIの標準シンボルなので、もしかしたら見たことがある人もいるかもしれませんね。

417の由来は4つのバー、4つのスペースに17のモジュールで構成されているということだそうです。PDFはポータブルデータベースファイルの略だそうです。

開始と終了があり、その内側に指示子と呼ばれる文字数等の情報が入る場所があり、真ん中にデータコードが入る形なので、遠くから見ると一次元バーコードの中に穴が開いたような形に見えるかもしれません。

縦横比を変えることができるなどかなり柔軟性があるので、バーコードを入れたい部分にうまく当てはまるように変更もできそうです。また、MicroPDF417といった簡略版や右の指示子を省略したコンパクトPDF417、複数のPDF417を組み合わせたマクロPDF417といった派生バージョンもあるようです。

Code49

もう一つ、知名度のあるスタック型2次元コードはCode49です。こちらは1987年にインターメック社が開発したものでスタック型としては初めての規格だと思います。APSフィルムに利用されていました。こちらはバーコードを重ねたとわかる見た目です。他にも、Code16K、Codablock、SuperCodeといった規格があります。

VeriCode

マトリクス型2次元コードの代表格はQRコードですが、歴史的には、ベリテック社が開発した1982年のVeriCodeが最初です。最大情報量が英数字混合で261文字、数字だけだと392字入ります。

DataMatrix(DataCode)

他の代表格としてはDataMatrixがあります。日本ではDataCodeと呼ばれています。1987年にアイディマトリックス社によって開発されました。JIS X0512で規格化されています。

英数字で2335字、数字だけだと3116字も入ります。正方形型だけでなく、長方形型もあり、情報の密度が高くできることから、アメリカの半導体工業会や電子工業会、米国規格協会で部品のマーキングに利用されています。

誤り補正のバージョンでECC000,050,080,100,140とあり、最新はECC200となっています。また、アプリケーション規格であるGS1 DataMatrixもあります。内容としては、GS1-128と同じなので、2次元表現したい場合はこちらを利用します。

MaxiCode

同じ年に米国宅配業者であるUPS社が開発したMaxiCodeがあります。真ん中にファインダパターンとして、2重丸があるのが特徴的な2次元コードです。中心から広がるのでどの角度からでも拾えるのも特徴の一つです。

単独でJIS規格にはないのですがJIS X0515の出荷、輸送及び荷受用として利用可能だと記載されています。実際、全日本トラック協会の仕分けに利用されています。

次回はいよいよ1994年にデンソーが開発したQRコードです。

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