今回も施工管理アプリ・サービスから派生して建設原価管理アプリ・サービスについて、お話します。
前回は建設原価管理の概要をお話しました。今回は工事業の分類を踏まえた話をします。
29業種と3つの中分類
建設業は工事の種類として、29業種の分類があります。ただし、一つの会社が一つの業種ではなく、複数の業種を担当できるのが特徴です。そのため、日本標準産業分類では、大きく3つの分け方で表現しています。
一つは総合工事業で、基本的には発注者から土木施設、建築物の完成を請負う企業です。土木、建築の一式工事はもちろんですが、造園やしゅんせつ、舗装といった業種も含まれます。
もう一つは職別工事業で、下請として、土木施設、建築物の一部を担当する企業です。大工や左官、とび、屋根、タイルといった個別の業種を請負います。もちろん、複数の業種を請負う企業もあります。
最後に設備工事業です。本来なら職別工事業ですが、設備系の業種があります。これは下請でも元請でもあるので、分類が分かれたのだと推察します。電気工事、管工事(空調・給排水等)、機械器具の業種がこれに該当します。
目的に応じた原価管理
なぜ、工事の種類を説明したかというと、業種に応じた対応ができる建設原価管理ソフトがあるからです。総合建設業であれば、下請業者への発注を含めると様々な工種に対応する必要があります。
なんでもできるのは便利なのですが、使わない人にとっては邪魔な存在です。なので、自社に応じた工種に絞り込めたり、よく使う機能に絞り込んだソフトがいい場合もあるということです。
もちろん、建設業での29業種の組合せは自由なので、複数の業種を工事できる企業であれば、総合建設業向けの方が対応できると思います。
この辺りは自社の業種と管理したい内容に応じてソフトを選びましょう。また、総合建設業向けソフトでもテンプレートを使って、職別工事業もしくは設備工事業に使いやすい工種にしてくれるものもあります。専用か汎用かで迷ったら汎用で部分的な使い方をすると後悔することが少ないと思います。
◆工事原価Pro
https://ijs-kyoto.co.jp/koujigenkapro/
見積から工事管理、支払いまで一通りができるソフトです。また、弥生、PCA、勘定奉行と連携できることで会計ソフトに転記することが不要なのが魅力です。クラウド形式です。
◆二の丸EXv2
https://www.idsnet.co.jp/solution/ninomaru/
設備業向け原価管理システムです。工事管理から仕入、支払、在庫管理もでき、会計ソフトとの連携もできます。見積は本丸Exv2、材料拾いは拾いExv2、本丸と二の丸を1つにした三の丸もあり、それぞれ連携できるのが特徴です。
◆使えるくらうど工事台帳
https://www.tsukaeru-koji-daicho.jp/
建設業向けソフト、サービスを提供しているアサクラソフトのクラウドサービスです。見積、原価管理、支払、売上・入金管理はもちろん、日報、スケジュールも入力できる多機能サービスです。
◆使えるシリーズ
https://www.asakurasoft2.jp/genka.html
上記と同じアサクラソフトが提供する建築見積、設備見積、建設原価等機能を絞ったインストール型です。機能を限定して使いたいのであればこちらを検討してください。
◆uconnect
https://uconnect.jp/sms/
タイトルが粗利管理クラウドソフトと銘打っているようにシンプルな使い方ができるように案件型、工事業向け、工務店向けと機能を絞った提供ができるサービスです。