公式サイト構築(再構築)(その9)

前回に引き続き、自社の公式サイト構築に関するお話をします。今回は自社の公式サイトを構築するための構築の基本方針についてお話しします。

前回までに3つの準備を行いました。

1.自社の特徴(魅力)を棚卸する
2.ネットの現状を把握する
3.ネット基本方針・戦略・戦術を策定する

自社を知り、他社を知り、それをもとに全体的な流れを決めました。今回はいよいよサイト構築(再構築)のための基本方針策定に入っていきます。

(1) 基本コンセプト

まずはサイトの基本コンセプトです。どんな目的でどんな情報を提供するのかを文章にしていきます。前回のネット戦略の基本方針で考えた「既存顧客への情報提供」なのか、「新規顧客獲得」なのか、「単なる認知度向上(会社案内レベル)」なのかをもとにより具体的にしていきます。

そのために必要な条件として想定しているユーザーとそのニーズをより明確にしておく必要があります。一般的にターゲットマーケティングと呼ばれる手法です。市場を細分化(セグメント分割)したのち、特定のセグメント(属性)に対して市場調査から販促・販売活動を行うことです。

公共工事なのか、民間工事なのか。公共工事ならダム、トンネル、宅地造成といった大規模なものから歩道補修のような小さなもののどのあたりを狙うのか、民間工事でもビルや工場のような企業対象なのか、一戸建て、リフォームといった個人対象なのかを明確にして、そのターゲット顧客のニーズも満たすためにどのような情報を提供するのかを考えていきます。

会社案内レベルであれば、自社のサービス内容を簡単に説明したものを並べるだけでも問題ありません。しかし、顧客獲得といった場合は顧客目線で内容をまとめていく必要があります。

例えば、リフォームであれば、単にお風呂ができます。トイレができます。キッチンができますでは単なる事業案内の域で終わってしまいます。新しい顧客を獲得する目的であれば、達成するのは困難でしょう。

そこで、店舗周辺に住んでいる高齢者で古いユニットバスを使っている人といった具体的なイメージをもとに高齢者を意識して、入りやすいお風呂の提案や冬のお風呂でヒートショック(温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することが原因で起こる健康被害)にならないように脱衣所の暖房設備の提案などを具体的に物語のように掲載します。こうすることで次のステップ(問い合わせや見積依頼)につながりやすいです。

つまり、ある程度細かいセグメントでの方針がWebの世界では望ましいのです。「とはいえ、いろいろなお客を取りたい」というのが希望であることが多いです。その際には自社の優位性を考えて他社との差異が出る部分を中心に少し範囲を広げてください。

掲載内容では絞り込んで、それぞれのターゲット顧客向けにページを考えますが、基本コンセプトでは、もう少し広い範囲でもOKです。ただし、重要顧客と一般顧客といった形で重みづけをしておいたほうがサイトの認知度や問い合わせは増えると思います。

今は、1ページでかなり狭い範囲のターゲットに対しての提案をしているページが多いため、漫然とした掲載内容では勝負がしにくいです。公式サイトはついつい会社案内的な要素で終わってしまいがちですが、プラスアルファとして基本方針の中に少しターゲットを絞った内容を入れることをお勧めします。

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