前回に引き続き、自社の公式サイトを構築するための基本方針についてお話しします。
前回はコンテンツいわゆる掲載内容をどのようにして書いていくかというお話しをしました。
今回はそのコンテンツをもとにどのような構成にして、閲覧者を誘導していくかを考えていきます。
(3) ナビゲーション
コンセプト(想い)に基づいたコンテンツ(掲載内容)ができても、それぞれのコンテンツがつながりを持たないとせっかくの内容が活かされません。
ある情報に関する調べものが目的の場合であれば、該当する1ページが検索できればいいと思います。具体的にいうとWikipediaで用語検索をした際にわざわざほかのページを見に行くことは少ないのではないでしょうか。
しかし、公式サイトでは違います。興味を持ったページでは特定の情報しか記載されていないために他のページを見たくなることはよくあります。
例えば、お客様がヒートショック対策で浴室のページを見ることになった時に、トイレや廊下には何か対策がないのだろうかと気になったり、どんな手順で問い合わせをすればいいのだろうかとかこのページの会社は家から近いのか、実績はあるのか、実際の施工例はほかにないのかといった流れはよくあることです。
実際にはおうちで寒い思いをしたとか、テレビでヒートショックの話を見たとかといったきっかけからスタートして、サイトを訪問して情報を得たのち、問い合わせを行い、最終的には対面商談といった大きな流れがあります。
このような流れをカスタマージャーニーと呼び、お客様がどのようなきっかけでサイトの中に入ってきて、どこに出ていくかを考えていきます。この流れを円滑にするのがナビゲーション(道案内)です。
まずはどのページにも掲載されているグローバルナビゲーションつまり、メインメニューを考えます。一般的にはサイトの上部に横一列で並べてあるか、左右どちらかに縦一列で並べてあるものです。最近はスマホを意識して折りたためるようにもなっています。
基本的には情報種類もしくは機能別に並んでいることが多いです。商品・サービス、会社案内、問合せといった感じでしょうか。最近は対象別・状況別といったメニューも増えてきています。個人の方へ、法人の方へ、女性・男性、ヤング、アダルト、シニアといった性別年齢による分け方もあります。対象を絞り込むことによってよりお客様目線で流れを作っていく傾向は今後も増えていくのではないでしょうか。
次にローカルナビゲーション、もしくはサブメニューといった表現で使うグローバルナビゲーションを選んだあとの詳細メニューです。詳細なので、選んだ項目の詳細なものになっていることが多いですが、もしかしたらこんなことにも興味を持っているかもしれないといった項目も掲載されていることがあります。ここもお客様目線で視線の先に見たいものがあるような形を考えていきましょう。
最後にブラッドクラムナビゲーション、一般的にはパンくずメニューといわれているものです。掲載内容の上部に掲載されており、
上位メニュー > 中位メニュー > 下位メニュー
といった形で自分の見ているページが全体のどこに位置しているかをわかるようにするとともに中位や上位の内容に移動しやすくリンクをつけていることが多いです。
この3つの組合せによって、状況によっては複数の入り口から同じ出口につながるようなメニューになることもあります。例えば、問合せページはどこからでも行けるようにしたいですよね。
また、公式サイトにたどり着く前が、検索サイトなのか、他サイトのリンクなのか、メルマガからの誘導なのか、チラシを見て、直接アドレス入力かによっても、お客様の前提知識は異なります。知っていない可能性を考慮して、見やすいメニューにしていく必要があります。
もちろん、一度でいいものにはなりません。アクセス解析等で流れを分析し、流れが止まっているところにつながりを持たせるような試行錯誤がナビゲーションをより良くしていきます。あまり考え込まずに基本を押さえて始めてみましょう。