公式サイト構築(再構築)(その20)

前回に引き続き、掲載内容の具体的な話です。今回は更新情報の中でも重要な施工事例に関するお話しです。

建設会社のメインコンテンツといってもいいと思う施工事例ですが、意外と情報量が少ない傾向があります。もちろん、施主様のご意向で情報が公開できない場合も少なくないですが、載せれる情報に変換すればいいのにそれができていない可能性がありそうです。

まずは、公共工事と民間工事に分けて、それぞれの掲載内容についてお話しします。

(1) 公共工事

こちらはほとんどの情報が公開されていますので、載せにくい情報はないと思います。発注者、設計者、工期、工事概要・工事数量、工事場所、施工担当者の声といった項目で掲載できます。この中で施工担当者の声は完全なオリジナルコンテンツであり、自社の魅力を表現できる最大の場所だと思います。工事場所に関しては実際の場所に見に行くことが可能であれば、Google Mapのような地図を掲載しておくとよりよいです。ある程度時期がたてば、ストリートビューでその建設物をみることも可能になると思います。

工事の難易度や近隣住民との対話、協力業者との共同作業などたとえ元請でなくても記載できることはいろいろあります。写真は発注者に確認する必要はありますが、よほど内部の詳細な情報でもない限り掲載できないものは少ないと思います。できれば、完成時だけでなく、施工状況、特に施工時の実際に社員が働いている姿が掲載されるほうがより説得力が増すと思います。

また、優秀な工事が多ければ、工事成績評定点を表記するのもいいかもしれません。表彰もされているのであれば、その掲載も行うのは自社を評価してもらうためにも有効です。

(2) 民間工事

こちらは規模が大きいモノや公共性の高いモノであれば、いずれは一般の人の目に触れるものなので掲載は難しくないでしょう。ただし、戸建て住宅や工場といったプライバシーや企業機密に触れるようなものは表現をぼやかす必要があるかもしれません。逆に場所の特定や用途の特定ができなければ、掲載はできないわけではありません。

先ほど同様、発注者、設計者、工期、工事概要・工事数量、工事場所、施工担当者の声を掲載する際に発注者をA氏とか金属加工業といった表現として、場所も市町村レベルでとどめる。写真も掲載できれば行うが難しければ、イラストや近接で部分的な写真とするなどの工夫を行いましょう。

また、専門業者の場合でも、その部位にとどまらず、建設物全体の紹介をすることをお勧めします。建設物は全関係者の努力のかたまりです。1部といえ、それがなければ建設物は完成しません。「俺たちがいたから完成した」ぐらいの気持ちで掲載してください。(もちろん、元請の許可はもらってくださいね。)

次に掲載方法です。数が少ない場合は、とりあえず、竣工の新しい順番に掲載していってください。ある程度の数になると1ページでは収まりにくくなります。年度ごとに掲載ページを分けていきましょう。

また、企業によっては様々な業種や地域、工種の仕事を行っていると思います。その場合は、戸建て住宅、マンション、ビル、工場、道路、鉄道、トンネル、橋梁、ダムといった施設の用途別や地域別で分けて表示できるようにしましょう。専門業者の場合であれば、工種や施工目的別での分類もあると思います。

検索できるような仕組みが理想ですが、一覧表から詳細にリンクを貼るような形式にすれば、普通のサイトでも作成は可能だと思います。その際にできれば、実績はあるけど詳細は掲載できない工事実績も掲載しましょう。せっかく、工事を行ったのにどこにも載せないのはもったいないです。

個人住宅のように発注者が掲載できない場合は発注者空欄で、○○市、台所リフォームといった表現だけでもいいですし、件数が多ければ、年度ごとで工事内容別に集計した件数だけを載せることも有効です。どれだけ多くの工事をどの場所で行っているかは新しい顧客にとっては重要な情報なのです。

「地域No.1の実績」といった文言をトップページに掲載されているサイトはよく見かけますが、実際の結果を掲載しているところは少ないです。本当であれば、市町村別での施工実績数ぐらいは載せたほうがいいと思います。

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