現場で役立つエクセル操作【図形編】(その11)

前回に引き続き、エクセルで知っておくとちょっと便利な図形操作についてお話します。今回もSmart Artです。

前回はSMARTツールの中にある[デザイン]タブを利用した全体的な編集方法をお話ししました。スタイル機能などは特に絵心のない私には助かる機能です。レイアウトを変更すると全体的なバランスを壊さない状態で自動的に調整するのはさすがです。

さて、そうはいっても、個別の図形も変更が必要な場合があります。一部の文字を大きくしたり、文字数が多い図形のサイズを変更したり、一部の図形だけ背景色を変えたりすることは多いでしょう。

これを実現するのが、SMARTツールの中にあるもう一つのタブである[書式]タブです。多くの機能は描画ツールで使う[書式]タブと同じです。

共通部分の機能を先に説明すると図形のスタイルで背景色・枠線・効果を変更し、ワードアートのスタイルで文字の装飾を行い、配置で前後や縦横の位置関係を調整し、サイズで大きさを変更します。基本的な変更はこれだけで十分対応できます。

もちろん、個別の図形を右クリックして、ポップアップから図形の書式設定を選んで、各種の設定を行うこともできます。こちらの方が詳細な設定ができますが、パソコンの画面が広くないとちょっと使いづらいのが難点です。

唯一異なるのが左端にある図形グループです。一般の図形の場合は、ここに図形の挿入グループが出ています。このタブだけで新しい図形の挿入もできるので、図形を連続して追加・編集するには便利な機能です。それに対して、SMARTツールの図形グループは図形の変更は普通の図形の書式タブにある機能と同じですが、拡大・縮小という図形サイズの変更と2-Dでの編集という機能がついています。なお、SmartArtの図形は頂点の編集はできませんので注意してください。

2-Dでの編集とはSmartArtが3-Dスタイルになっているときに編集しやすいように一時的に2-Dに戻す機能です。斜めになっている図形を一度正面にしてから編集できるので、見やすく便利です。

拡大・縮小は図形サイズを拡大・縮小するだけでなく、中の文字サイズも連動して拡大・縮小してくれます。中の文字の大きさを変えずに図形サイズだけ変更したい場合は、右端にあるサイズで変更するか図形のサイズ変更ハンドルをドラッグで動かしてください。逆に図形はそのままで文字サイズやフォントを変更したい場合は、ホームタブで普通の図形と同様に変更してください。

SmartArtは複数の図形が一体となって1つの意味をもつ図形となっています。そのため、拡大・縮小といった全体とのレイアウトを意識した機能がついているのだと思います。ただし、拡大・縮小は相似形で大きくもしくは小さくなりますので、文字を1行で表示したいなど一方向だけ変更させたい場合は、サイズ変更ハンドルで一方向だけ変更してください。組織図で長い組織名の時によく行うことがあります。

最後にSmartArtはとても便利ですが、種類に限りがあるので、どうしてもお気に召すものがないかもしれません。その時にはネットでインフォグラフィクスの入ったパワーポイントのテンプレートを探すことをお勧めします。

インフォグラフィクスとは情報、データ、知識を視覚的に表現したもので、代表格としては道路標識や路線図があります。そういう意味ではSmartArtもインフォグラフィクスの一部といっていいと思います。

そのままテンプレートを使っていもいいですし、テンプレートを参考に既存のSmartArtを変更してもいいです。あまり凝りすぎると見づらくなりますが、ワンポイントで使うには効果的です。これを機にいろいろチャレンジしてください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする