前回に引き続き、知っておくとちょっと便利なエクセル操作に関するお話しをします。
今回は、テーブルです。2007以降についた機能なので、昔からエクセルを使っている人はかえってご存知ないかもしれません。機能としてはエクセルをよりデータベース的に使うためのものです。
エクセルは表計算ソフトですが、実際多くの方は表形式の管理シートとして使っています。本格的なことをするならばアクセスを使えばいいのですが、そこまではいかない簡易なデータベースを作りたいときにこのテーブル機能が役に立ちます。
管理したい表を範囲指定するか、その中のセルを選んだ後、挿入タブの中からテーブルをクリックしてください。これでテーブルができます。
元に戻したいときは、テーブルをクリックした後で、テーブルツールタブをクリックして、範囲に変換をクリックすれば戻ります。
変換すると交互に色のついたデザインに変わります。行ごとを見やすくするための措置です。デザインはいろいろ選べますので先ほどのテーブルツールの中のテーブルスタイルから選んでください。
ここまでは、書式設定とオートフィルターの組合せでできますがここからはテーブルならではの機能です。
まずは、最後行の一番右端のセルをアクティブセル(クリック)にしてからタブキーを押してください。新しい行が下に追加されたと思います。この際に式を入れたセルはそのままその式もコピーされていることに気づかれると思います。これは式だけではなく、書式設定もコピーされます。行単位での管理ができるのがこのテーブルの機能です。交互に色がつく設定はそのまま有効ですので見やすいままなのが助かります。
当然、途中行での追加も可能です。挿入したい行の下の行を右クリックするといつもと違うメニューが表示されます。その中で挿入を選ぶとテーブルの行が選べます。これは先ほどと同様、式や書式設定も含んで新しい行を作ってくれます。列挿入もできますので、あとから列を追加するときにも便利です。この挿入作業をした際にも交互の行に色を付ける設定はそのまま有効なので、きれいに見やすい状態を維持してくれます。挿入するごとに行ごとに色が変わるのはちょっと感動します。
テーブルの式は全行同じものを適用することが原則です。なので、1か所のセルの計算式を修正すると即時に他の行の同じ式も修正してくれます。これが結構便利で修正忘れをなくすことができます。
同様のことを手動でやる場合は、一番上の式を修正して下方向に式を貼り付けてもできますが、テーブルの場合はどの位置の式を修正しても反映してくれます。よくありがちな表示の固定で上の行が表示されていなくて修正し忘れたといったトラブルはおきません。
また、テーブル状態であれば、重複の削除もすぐにできます。通常であれば、範囲指定したのちにデータタブの中にある重複の削除を選びますが、テーブルツールの中に重複の削除ボタンがありますのでこちらをクリックするだけです。
また、テーブル自体に名前がつきますので、VLOOKUPの際の範囲指定を名前で済ませることができます。シートをまたいでも名前だけなので、見た目もすっきりします。
例:VLOOKUP(F1,テーブル1,3,FALSE)
テーブル自体の列集計も楽です。列全体は一行目の項目名が使えますので、集計も名称で行えます。
例:SUM(テーブル1[金額])
ちなみに最下行でオートSUMをクリックすると通常のSUMではなく、SUBTOTALが挿入されます。しかも、カーソルの横にプルダウンのマークが出てきて、平均や個数といった他の集計方法が選べるようになっています。
少し高度なテクニックとして2つのテーブルを使ったリレーション設定もできます。データタブの中にあるリレーションマップをクリックして2つのテーブルのどの項目が関係するのかを設定します。
これで2つのテーブルがリンクされたので、ピボットテーブルで集計する際に2つのテーブルを組み合わせた計算も可能になります。ピボットテーブルで集計する際のダイアログボックスの一番下にあるこのデータをデータモデルに追加するのチェックを入れることで関係している2つのテーブルを一気にフィールドに入れることができますし、連動しているので連動した形での集計が可能です。商品コード表とコードだけが入った売上実績などをいちいちVLOOKUPでつなげなくても集計ができるのが助かります。
ここまでくるとデータベース操作の知識も必要になってくるのでちょっと大変ですが、最初のほうも操作は比較的簡単なのでまずはそこからテーブル機能を利用してみてください。