エクセル関数の紹介も今回で一区切りとします。まだまだ紹介したりない部分もありますが、今までに紹介した関数だけでもかなりの量があり、かつまた効果的な電子帳票を作成するのに十分であると考えました。他の関数については、先週紹介した関数リンク集をご参照してください。
これまでに、約30個の関数を紹介しました。組み合わせて使うと、より大きな効果をあげることができます。組合せは各自お試しいただく必要がありますが、大切なのは、最初セルをわけて確認できるようにしてから使うことです。
これを怠ると、予期せぬ結果をチェックできなくなります。特にみなで使えるような帳票・記録用紙を作成する場合には、これを徹底してください。そして、一通りのチェックが終わったら、ひとつのセルにまとめます。入れ子という仕組みが使えるのもエクセル関数の大切な機能です。
最後に取り上げる関数は、三角関数です。「私はこれで数学やめました」と、どこかのコマーシャルのパロディではないですが、多くの方がこの関数に抵抗をおもちです。また、覚えても実生活でほとんど使わないと思われがちな関数でもあります。
建設業界では、測量分野をはじめ、土圧の影響線や波の計算など三角関数なしで構造物を作ることは困難です。そこで、普通の業界ではあまり縁がないが、建設業界ではとても大切な三角関数を最後にとりあげることにしました。
まずは関数の一覧です。
目 的 関数名
サインを求める SIN(ラジアン)
コサインを求める COS(ラジアン)
タンジェントを求める TAN(ラジアン)
円周率πを求める PI()
角度をラジアンにする RADIANS(角度)
ラジアンを角度にする DEGREES(ラジアン)
サインから角度を求める ASIN(数値)
コサインから角度を求める ACOS(数値)
タンジェントから角度を求める ATAN(数値)
これ以外に、双曲線関数(SINH、COSH、TANH)等もありますが、「頭がいたい!」との声が上がりそうなので、上記のものでとどめます。
上記の関数には、ラジアンを使うと言う特徴があります。ラジアンとは、円を2π、すなわち、6.283・・・であらわす角度の国際単位系です。みなさんが よく使われる角度法(円を360°)ではありません。関係は2π=360ですから、1=57.295となります。わかりずらいのですが、ここを理解しない とエクセルでの三角関数は利用できません。
また、三角関数の特性ですが、元の角度に戻すときに思った数値が戻ってこないことがあります。それで計算ミスをしたシートをよく見かけます。使用範囲を正しく表示していないと、せっかくの作業効率が非効率になってしまいますのでご注意ください。
もし測量系のシートを作成するのであれば、グラフとの組合せをおすすめします。図上で結果を確認できるので、間違いに気付きやすいでしょう。グラフの上手な使い方はまた別の機会にお話します。
三角関数は、使用頻度の低い関数ですが、使い方を間違えたり、うまく使えなえなかったりで質問が多い関数なのでご紹介させていただきました。エクセルってこんなこともできるんだと思っていただけると幸いです。