現場で役立つエクセル操作【応用編】(その4)

 前回、アドイン機能に関連して、インターネット上でマイクロソフトが提供している郵便番号変換ウィザードに触れました。この他にも、便利なのに使われおらずもったいないと思うものに、「クリップアート」があります。今回はこの操作について紹介します。

 

 クリップアートとは、簡単に言うとイラストです。中でも、縮小拡大しても絵柄や鮮明さがくずれない、WMFという形式のものを指します。

 少し詳しく説明しましょう。デジカメなどで撮った写真は、ラスターデータといって、小さな点の集まりで出来ています。そのため縮小すると絵や文字がつぶれ、拡大すると角ばった感じになります。このようなことから、写真挿入の際は、あらかじめ挿入したいサイズ用に写真編集ソフトなどで調整しておくことが望ましいのです。
 この手順を踏まないで、直接挿入してから適当なサイズ変更をエクセル上で行うと、ファイルサイズが無駄に大きくなったり、ざらっとした印象になったりします。

 対して、クリップアートはベクターデータといい、線や円、点をそれぞれ端点の座標や半径などのデータで管理しており、全体サイズに応じて書き直します。そのため拡大縮小をしても文字がつぶれたり、角張ることはありません。また、表現している線や文字、円の数でファイルサイズが決まるので、拡大縮小くしてもファイルサイズが変わりません。

 このように便利なものですが、パソコン環境によっては、少々問題があります。例えば、ハードディスクが小さいノートパソコン等では、標準でついてくるはずのクリップアートコレクションがインストールされていない場合があります。また、インターネットへの接続制限をしている場合は、Webコレクションが選べません。そのため、「使える物がない」と勘違いし、使わない人が多いようです。

 ハードディスクが小さかったり、改めてインストールするのが面倒な方は、Webコレクションをおすすめします。これも郵便番号のアドイン同様、インターネット上にあるマイクロソフトのサイトからダウンロードします。アドインほど面倒ではありません。

 まず、エクセルのメニュー[ツール]-[オプション]から[全般]タブをクリックし、さらに[サービスオプション]のボタンをクリックします。そこにあるオンラインコンテンツの設定の中にある「Microsoft Office Onlineのコンテンツとリンクについて、「表示する」にチェックが入っているかどうかを確認して下さい(チェックが入っていないとサービスが利用できません)。お使いのパソコンのインターネットが常時接続の環境であれば、下記の3つのチェックボックスも入れておきましょう。そして、OKを押せば準備完了です。サービスを有効にするには、一度エクセルを終了させ、再度起動します。

 次に、挿入したいファイルを開いた後、メニュー[挿入]-[図]-[クリップアート]をクリックすると、右横にクリップアートの検索メニューが表示されます。探す場所のプルダウンメニューをクリックして、[すべてのコレクション]と[Webコレクション]に
チェックが入っていることを確認します。(入っていなければ入れてください。)

 そして、検索の下のテキストボックスに、探したいイラスト名を入力します。すると多くのイラストのサムネイル(小さな画像)が表示されます。この中で、左下に小さな地球のマークが入っているイラストが、インターネット上にあるものです。使いたいものをドラッグ&ドロップで挿入してください。表示されるのに時間が空きますが、実はこの間に、インターネットからダウンロードしているのです。表やグラフに合ったイラストが入ると、印象は格段によくなります。やりすぎはいけませんが、適度な使用は、かなり効果的です。

 インターネット上では、マイクロソフト以外にも様々なイラストを有償無償で提供しているサイトがあります。日本人好みのものはそちらに多いですが、ちょっとしたアクセントで使うのならば、マイクロソフトのものでも十分です。ぜひ、一度お試しください。

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