現場で役立つエクセル操作【番外編】(その6)

前回に引き続き、知っておくとちょっと便利なエクセル操作に関するお話しをします。

今回は、Power Pivotです。こちらも前回のPowerQuery同様エクセル2010と2013で利用できるアドインソフトです。できることは簡単にいうとピボットテーブルの強化版です。データ分析をあまりしない人にはこちらもピンと来ないかもしれませんが、ピボットテーブルを作る際の元データの整形加工に苦労している方にはぜひ使ってもらいたい機能です。

Excel2010の場合は下記よりダウンロードして、インストールをしてください。

◆PowerPivot for Microsoft Excel 2010
https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=29074

Excel2013の場合は開発タブのCOMアドインをクリックして、PowerPivotのチェックを入れてOKをクリックしてください。これでPowerPivotのタブが表示されます。

さて、PowerPivotのメリットですが、大きなデータでも早く処理ができます。データベース的なメモリ管理をしているのだと思いますが、シートから集計する通常のピボットテーブルより早いです。

また、エクセルやCSVファイルはもちろん、アクセスやSQL Serverのようなデータベースにも比較的簡単に接続できます。接続の手続きを1回行うとあとは元ファイルを開く必要がありません。分析用の専用ファイルとして使うことができます。ファイルサイズも元ファイルを取り込むより小さくすることができます。

元データを更新した際にも作成したPivotの更新ボタンを押すだけで元ファイルを開く内で最新の情報に集計してくれるのはなか便利です。元データとなるファイル名やフォルダ場所をきちんと管理しておけば、複数の人で作業を手分けすることも可能なのがいいですね。

デメリットもあります。ピボット時のグループ化ができません。事前にPower Queryでの編集時に列の追加で集計したいグループ化を用意しておく必要があります。

また、レポートフィルターページの表示もできません。これはピボットテーブルでフィルターに入れた項目ごとにピボットテーブルをまとめて作ってくれる機能です。店舗別や工程別といったフィルターを一気に作ってくれるのでシートごとに見たい人には便利ですが、スライサーを使うとページは増えませんが同じようなことができます。PowerPivotは画面で見ることを主体としているようです。

少し脱線しますが、PowerPivotを上手に使うのにはスライサーを使いこなすことです。スライサーとはExcel2010から登場した機能でデータの絞り込みをする際に使います。ピボットテーブルを作る際に右上に挿入するフィルターを一覧表示にしたようなものです。

一覧で表示されているので、フィルターのプルダウンのように探す手間が少ないです。複数選択もShift,CTRLを押しながら選択すれば簡単にできます。また、選択していると色がつくのでどの項目を選んでいるかもひと目でわかります。ピボットテーブルで複数条件をフィルターする際はスライサーを使ったほうが間違いは少ないと思います。

メリット、デメリットが先行して肝心の操作方法をお伝えしていませんでしたが、ピボットを使っている人であれば、最初の設定以外で戸惑うことはないです。

最初の設定はPowerPivotタブの管理アイコンを押します。専用画面が表示されるので、外部データを取り込みましょう。この際、エクセルやCSVを取り込みたい場合はその他ソースのアイコンをクリックして、でできたウィンドウを下のほうにスクロールしたあとに出てくるテキストファイルから該当するものをクリックしてください。あとは取り込みたいファイルの指定、先頭行が見出しならばチェックを入れて次へをクリック。取り込みたいシートを選んで、完了をクリックすればOKです。この際にテーブルにしておいた方が確実なので、事前にPowerQueryできれいにしておくことをお勧めします。

取り込みが終わったら、ホームタブにあるピボットテーブルを選んで、集計を行ってください。あとは通常のピボットテーブルと同じです。その際に従来のピボットテーブルと異なり、グラフとテーブルや2つのグラフといった一括挿入ができます。とはいっても領域ごとに条件をしてする必要があるので、まとめて作りたい人以外はあまり使わないかもしれません。

取込するテーブル、表が複数ある場合はそれをリレーションを使って連動させることもできます。このあたりはデータベースの知識がないと難しいかもしれませんが、使いこなせるとエクセルでいろいろな分析をできるようになります。ぜひチャレンジしてください。

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