現場で役立つエクセル操作【図形編】(その9)

前回に引き続き、エクセルで知っておくとちょっと便利な図形操作についてお話します。今回はSmart Artです。

みなさん、Smart Art をご存知ですか?Office2007からの新機能なので「何となく見たことはあるけど・・・」といった方が多いのではないでしょうか。マイクロソフト社の説明によると「情報やアイデアの視覚的な表現です。メッセージに適したレイアウトを選んで、グラフィックを作成します。」と書かれています。ちょっとわかりにくですが、要は複数の図形を見やすいレイアウトにできますよという機能です。

私自身も多用しているわけではないのですが複数の図形をより効果的に見せる方法としては有効なツールだと思います。レイアウトのパターンとしては、リスト、循環、階層構造、集合関係、マトリックス、ピラミッド、図というのがあります。最後の図は図を使うレイアウトという意味なので、実質は残りの6種類です。

使い方はまず、[挿入]タブの[図]にあるSmartArtのアイコンをクリックします。SmartArtグラフィックスの選択画面が出てきますので、行いたいレイアウトを選んで、OKを押します。選んだレイアウトとテキストウインドウが表示されます。あとはテキストウインドウに文字を書き込んでいけば自動的にサイズを変更してくれます。直接図形に書き込むこともできますが、テキストウインドウに書き込んだほうが追加削除がしやすいと思います。

ここでポイントになるのはレベルです。組織図の階層構造になるものはもちろんですが、リストでも表題と内容といった関係をもつものはレベルが重要になります。エクセルでアウトライン(グループ化、グループ解除)をよく使っている人やパワーポイントで箇条書きでレベル操作(tab,shift+tab)を使われている方はイメージしやすいと思いますが、レベルとはテキストに親子関係を持たせるための仕組みです。

作業はテキストを入力する際にSmartArtツールのデザインタブの左のほうにレベル上げ、レベル下げのアイコンがあります。これをクリックするとテキストウインドウのテキストの左インデントが移動して、親子関係がわかる配置になります。一番左端にあるのが親でそれよりか少し右にインデントされているのが子です。もちろん孫、ひ孫と階層化できます。

ちなみにレベルの上げ下げはtabキーとshift+tabキーでもできます。パワーポイント同じでカーソルをレベルを変えたいテキストに移動してから、tabを押すとレベルが下がりshift+tabでレベルが上がります。ただし、パワーポイントと違って、親の次に孫といった2レベル下の関係は作れません。親の次は子、その次が孫となりますのでtabキーやレベルボタンを押しても移動しないことを覚えておいてください。

親子関係はそのまま一つのグループとなるので、同じSmartArtツールのデザインタブの左のほうにあるレベルの移動を利用するとそのグループ単位で入れ替えることができます。

この操作ができないときちんと順番が決まってから書くしかないのでとても使いづらくなります。図形自身を動かすことはできるのですが、レイアウトが崩れてしまうのである程度形が決まるまではこのレベルの上げ下げと移動を使えるようになることをお勧めします。

アウトラインと呼ばれるこの仕組みはSmartArtだけでなく、エクセルの行・列のグループ化、Wordのスタイル、パワーポイントの箇条書きなどに使われています。概念を理解すると応用が利くのでぜひ使えるようになってほしいです。

「文字列で最初に考えて、後で図にしたいんだけどな」というテキスト派の方にはちょっとした裏技があります。パワーポイントが必要ですので、エクセル、ワードしかない人はごめんなさいです。

パワーポイントには文字列をSmart Artに変換する機能があります。予め箇条書きとレベルの上げ下げをしたテキストを準備しておき、それらをまとめて選択します。右クリックでポップアップメニューを出して、その中にあるSmartArtに変換を選び、その右に出てくるグラフィックにカーソルを移動するとテキストが入った状態でのレイアウトを見えます。好きなものを選んで、クリックすればOKです。レイアウトができたら、自分が使いたいエクセルにコピー貼り付けすれば完了です。

使ったことない人はぜひチャレンジしてみてください。

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