前回に引き続き、エクセルで知っておくとちょっと便利な図形操作についてお話します。今回も作業編です。
前回は線を一定方向に引く方法や水平・垂直への移動・コピー、相似形の作り方などShittキーとCtrlキーを使った方法とAltキーを組み合わせたセルの角に合わせる方法をお話ししました。今回は図形そのもの(属性)の編集についてお話しします。
図形(オートシェイプ)の属性を編集するためには描画ツールのタブで行う方法が一般的です。描画ツールのタブを表示するには、属性を編集したい図形をクリックするだけです。選ばれると描画ツールの書式タブが表示されます。
タブの中は大きく5つのグループに分かれます。図形の挿入、図形のスタイル、ワードアートのスタイル、配置、サイズです。このうち図形の挿入は新しい図形を挿入することがメインとなりますが1つだけ、選択した図形の編集ができます。それが、図形の編集の中にある図形の変更です。図形の編集の右横にある▼をクリックすると図形の変更のサブメニューが出てきます。これを選択すると今選択していある図形を他の図形に変えることができます。四角を三角に、丸をひし形に変えることが可能なのです。複数選択した場合でも一括で変えることができるのでとても便利ですよ。
図形のスタイルはわかりやすい色の変更です。塗りつぶしと枠線は予めいくつかのサンプルが用意されているのでそれを選択してもいいですし、個別に細かい設定をすることもできます。この中で意外と知られていないのがパターンと呼ばれる斜線やドット柄のものに変える方法です。
図形の塗りつぶしのメニューの右横の▼をクリックしてから、グラデーションのサブメニューにあるその他のグラデーションを選ぶか、テクスチャのその他のテクスチャを選ぶと右側に塗りつぶしの設定サブウィンドウが出てきます。この中にある塗りつぶし(パターン)を選ぶといろいろなパターンを設定できます。普通の塗りつぶしはあまり白黒印刷には向かないので、このパターンのほうが重宝します。
ちなみにパターンを簡単に表示させたい場合は、図形の上で右クリックをして、出てきたメニューの中から図形の書式設定を選ぶとすぐに出てきます。慣れている方はこちらで編集するほうが詳細に設定できるのでお勧めです。
線の場合の矢印の大きさや形状といった詳細も図形の枠線メニューよりかこのサブウィンドウのほうが詳細に設定できます。簡単なものは描画ツールのメニューで凝ったものはサブウィンドウでといった感じになります。
図形の効果は少しボタンぽく見せたり、影を付けて立体感を出すために使います。凝りすぎるのは問題ですが、ワンポイントで行う分には結構便利です。
ワードアートは図形内の文字の装飾です。こちらもかなり凝ったことができます。使い方はほぼ図形と同じです。あまり凝ったことをするとかえって見づらくなるので注意してください。
一個飛ばして、サイズは簡単にサイズを縦横で変更できます。縦横比を一定にしたい場合は、サイズメニューの右下にある右下矢印をクリックするとサイズのサブウィンドウが出てくるので、そこで縦横比を固定のチェックを入れればOKです。
サイズのサブウィンドウの中でもう一つ大事な設定がプロパティです。セルに合わせて移動やサイズ変更をするにしておくとセルを挿入するとずれますし、セルサイズを変更すると図形のサイズも変わります。以前お話ししたようにこの設定にしておけば、印刷イメージが画面イメージと近い状態になります。ただし、編集中は勝手にサイズが変わったり移動するのが望ましくない場合もあります。その場合はいったんセルに合わせて移動やサイズ変更をしないを選んでおいて、編集が終わった段階ですべての図形をセルに合わせて移動やサイズ変更するに戻すことをお勧めしています。
最後に配置メニューです。これはほとんどの操作にサブウィンドウがなく、ここでしか設定できません。前方への移動や背面への移動は複数の図形が重なっているときに順番を変えるものです。隠れている図形を選びたい場合は隣のオブジェクトの選択と表示を選ぶと今のシートにあるすべての図形を名称で表示してくれるのでその名前をクリックすることで図形が選択されます。先ほどの操作と組み合わせると隠れていた図形を表に出すことも簡単にできます。
配置は複数の図形を選択した時に並びをそろえるのに使います。また、このメニューの中にある枠線に合わせるをクリックしておくとALTキーを押さなくても図形の外の形状をセルの角に合わせることができます。方眼紙との組み合わせで図形を書く場合は便利です。
複数を1つのかたまりで動かしたいときはグループ化を選びましょう。最後に回転はこの配置メニューで唯一サブウィンドウがあります。このメニューのお勧めは左右反転と上下反転です。図形の中には右向きだけ、上向きだけの図形がありますが、この操作を使うと反転できるのでどの方向にでもできます。これを知らないと困ることは多いと思うので、ぜひ覚えてください。