現場で役立つエクセル操作【応用編】(その3)

 前回までで、簡単なマクロ作成方法をお話しました。マクロをよりよく使うためには、本格的にマクロ言語を勉強していただくことになりますが、それはまた別の機会にお話したいと思います。

 今回はアドインです。便利な機能ですが、存在をあまり知られていないようです。

 

 標準であるものは、2003より前ならば[ツール]?[アドイン]をクリック、2007ならば、[Excelのオプション]から[アドイン]をクリックすると分かります。パッと見ただけで分かる機能はないのですが、書いてある[アドイン]名をネットで検索すると、詳細が分かるはずです。

 標準アドインの中で一番のお勧めは、分析ツールです。「うちは分析なんかしないよ」という方もちょっと待ってください、このアドインを導入すると、使える関数がさらに100近く増えるのです。働いた日にちを簡単に計算できるWORKDAY関数や、日付がその年の何週目か分かるWEEKNUM関数など。かゆいところに手が届くような関数が増えます。

 次は、条件付合計式ウィザードです。これは、まとめられた表から、複数条件で合計を出したいときに、複雑な関数をメニュー形式で簡単に作ってくれる機能です。関数を知っていれば、手作業でも作れますが、関数は苦手だが複雑な条件で合計しなくてはいけない方に、ぜひ試してほしいアドインです。使い方は簡単で、合計したい表を範囲指定したら、アドインを実行します。そして、出てくるメニューに従って、自分が行いたい合計条件をいれ、書き出すセルの位置を指定しましょう。これだけで、合計が表示されます。また、条件を記入できるような枠を設けておくと、そこを書き換えるだけで再集計も出来ます。

 次はデータ追跡機能付き テンプレートウィザード。納品書データを一覧形式にしたいがマクロは使えないという方にお勧めです。納品書の見た目をエクセルで作った後でこのアドインを実行すると、必要なマクロを作ってくれます。作った後、[ファイル]?[新規作成]?[コンピューター上のテンプレート]で作成したテンプレートを選び、マクロを有効にして準備完了。あとは納品書のテンプレートに必要事項を記入し、上書き保存を押すと、ファイルの保存画面が出ます。ここで保存したファ
イルは、納品書の見た目どおりではなく、入力データが一行で表現されたファイルが作成されます。

 「う?ん、それもあまり使わないかな」という方には、最初からはないですが、マイクロソフト謹製のお勧めアドインとして、

 郵便番号変換ウィザード (2000-2007 ユーザー用)

があります。これはインターネットからダウンロードが必要ですが、このアドインを導入すると、住所録や名簿作成にとても便利な機能が付lきます。それは

 郵便番号から住所を作り出す。
 住所から郵便番号を作り出す。
 
「郵便番号から住所なんて、日本語変換ソフトでもできるんじゃない」といわれそうですが、このアドインは複数の郵便番号を一括で変換出来るのです。また、住所だけが書かれていて郵便番号がない名刺や手紙から、名簿を作るときにこのアドインがあれば大変便利です。住所のセルを範囲指定して、郵便番号を書き出すセルを指定するだけ。何件あろうとも、たちどころに郵便番号が表示されます。私自身は、OB名簿を作成した際にこれを用い、大変助かりました。

 このアドインを使う際の注意点は、郵便番号を検索する元になる日本語変換ソフトMS?IMEの辞書をできるだけ新しくすることです。古い辞書では、間違った変換や市町村合併による不適合エラーがでやすいのです。残念なことに、MS?IMEの2002以前のソフトは、郵便番号辞書が更新されていませんから、自力で最新データを更新せねばなりません。ネット上に辞書作成ツールが出回っていますので、それを利用しましょう。2003以降ならば、マイクロソフト社のホームページに最新辞書が出ていますので、指示に従って最新の辞書に更新しておきましょう。

 アドインは、マイクロソフト社だけでなく様々な企業や個人も提供しています。ウィルスチェックは必要ですが、業務効率をあげる手段として探してみてください。

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