エクセル関数の紹介も5回目になりました。目的別に厳選して紹介しているとはいえ、使いこなすにはそれなりの経験が必要です。大切なことは、行う作業を少しでも楽にする関数がないかと探すことです。
今回紹介する検索関数も、知っているのと知らないのとでは作業効率が大いに変わります。たとえば、コード表を入力してその横に材料名や現場名などを記入する業務の場合、あらかじめこの検索関数を設定しておけば、入力手間が一気に省けるのです。これを知らなかった人にとっては、「今まで何やってたんだろう」と思うこと間違いなしでしょう。エクセルでやみくもに関数を使うと動作確認や修正問題が発生してやっかいですが、使わないのはやはりもったいないと思います。この機会にぜひご利用ください。
よく使う検索関数は、下記の2つです。
目的:テーブルからデータを検索し、一致した行の値を求める
関数:VLOOKUP(検査値,範囲,列番号,検索の型)
目的:テーブルからデータを検索し、一致した列中の値を求める
関数:HLOOKUP(検索値,範囲,行番号,検索の型)
使い方は、探すのが行方向か列方向かの違いで、それ以外は変わりません。実際には、列単位で情報をまとめるVLOOKUP の方が好まれる場合が多いです。よって今回はVLOOKUP で説明しますが、記述してある列を行に読み替えれば、HLOOKUP になります。
まず、はじめに検索元になるデータ入力します。最低限必要なのは、検索されるコード番号とその名前の2列(3列でも4列でも可能)です。たとえば、コード番号と名前、単価、メーカー名など並べることもできます。重要なポイントは、検索されるコード番号が一番左端の列であること。途中の列は指定出来ませんので、ご注意ください。記入するシートは検索シートと同じ場所のほうが選びやすいでしょうが、別シートでも問題ありません。(管理は別シートのほうがしやすいかもしれませんね)
表の準備が出来れば、いよいよ関数の入力です。
ポイントは2つです。ひとつは、範囲を指定する際に必ず固定(F4キーを押す)しておくことです。これはコピーする際に範囲が変わらないようにするためです。F4を1回押すとA1:C5が$A$1:$C$5と表示が変わります。こうすると、コピーしても範囲が変わりません。このセル範囲の固定は他のところでも使えますので、ぜひ覚えましょう。(F4を押し続けることで全固定、列固定、行固定、固定解除の順にグルグル変わります。)
二つ目は、検索の型です。ここに何も入れていないシートをよく見かけますが、それでは、あいまいな結果が入るおそれがあります。必ず、0もしくはFALSEを入れましょう。そうすれば、あいまい検索ではなく、完全一致のみ表示するようになります。
そのほかの引数は、検索値が探す元になるコード番号、列番号が表示したい項目の列を範囲指定した列の左端を1列目として数えた列数です。(F列?H列にデータが入力している場合H列の項目を表示したければ3を入力します。)
今まで紹介した関数と違い、エクセルをデータベースのように使いますから、初めての方はかなり新鮮に感じられることと思います。私も、エクセル関数のデモをやる際はこの関数を使うことが多く、初めて関数に接する人にはインパクト大です。
このほかにも検索関数はありますが、この2つの関数の使用頻度が高いでしょう。もちろん、目的に応じた関数を使うのがエクセルの基本です。どんな関数があるかのぞいてみてください。