現場で役立つエクセル操作【応用編】(その2)

 さて、前回に引き続きマクロの話です。今回はエクセルマクロの2003と2007との違い、そして相対参照を取り上げます。

 

 エクセル2007でマクロを記録するには、[表示]タブの右端にあるマクロのアイコンをクリックし、[マクロの記録]を選べばOKです。そして、行いたい操作を実施し、ステータスバーの左にある[記録終了]ボタンをクリックします。実行するには、先ほどのマクロアイコンの中にある[マクロの表示]をクリックし、出てきたダイアログボックスから自分の作ったマクロ名を選んで[実行]ボタンを押します。

 この手順は、2003を使い慣れている人にとっては、とても不便な感じがするようです。特に[記録終了]に気付かなかったという人が何人かいました。

 ちなみにマクロを本格的にする場合、[開発]タブを表示することを勧めます。[Office]ボタン→[Excelのオプション]をクリックし、出てきたダイアログボックスの[基本設定]を選択、そして[開発]タブをリボンに表示するをチェック。すると[開発]タブが表示されます。

 ところで、エクセル2003以前と2007との違いは拡張子です。2003以前は、マクロありもマクロなしも同じ.xlsという拡張子でしたが、エクセル2007でマクロありは.xlsm、 なしは.xlsx となりました。セキュリティ強化のために行われたものですが、誤ってマクロ記録したものを.xlsx で保存すると、記録したマクロが削除されてしまいます。この点を十分注意してください。

 次に、相対参照と絶対参照についてお話します。相対参照とは、今いるセルの位置を基準に参照したいセルの位置を示す方法であり、絶対参照は、一番左上を基準として参照したいセルの位置を示す方法です。混在させることも可能ですが、今回は、できるだけプログラムにさわらないことを前提としているのでどちらか一方だけとしましょう。

 まず、相対参照を使うケースとは、2行ずつ空白行を入れていくとか、1個飛ばしで色を塗っていくなど、基準が常に移動していくような場合です。この場合、相対参照で記録しておくことで、繰り返しが簡単にできるのです。

 ちなみに、マクロを繰り返す場合は、何度もマクロ名を選ぶより、一度マクロを実行した後、[編集]-[繰り返し]を選ぶほうが迅速です。さらにショートカットキーで[CTRL]+[Y]のほうがもっと楽になります。これを覚えると今まで苦労していた繰り返し作業がとても快適にミス無くできます。

 一方、絶対参照を使うケースとは、特定のセルに計算した値や式を入れたいとか、各シートごとに同じ書式を設定したい等の場合です。繰り返しのような作業よりも、表の書式や形が決まっている初期設定を簡単にしたいときに有効でしょう。

 さて、実際の使い方です。

 2003以前では、マクロの記録を開始した後に出てくるツールバーに、切替ボタンがあります。2個あるボタンの左側が終了ボタン、右側が切替ボタンです。クリックすると、へこんだように周りが枠で囲まれます。これが相対参照で記録するものです。もう一度クリックすると絶対参照となり、枠が消えます。どちらで記録しているかわからないときは、カーソルをボタンに近づけると表示されますので確認してください。

 2007では、[表示]-[マクロ]をクリックすると、[相対参照で記録]のメニューが出ます。これをクリックしてください。すると、少しへこんだ感じで色が付きます。この状態が[相対参照]です。注意点は、[相対参照で記録]というメニューが表示されていても、へこんでなければ絶対参照で記録されていることです。

 最後にワンポイント。マクロ記録の際に、ショートカットキーを入力できる枠があります。ここにアルファベットを入れると、そのブックの中では、[CTRL]+[選んだアルファベット]でマクロが実行できるようになります。よく使うのマクロであれば、お試しください。

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