今回からエクセル操作についてお話します。関数編では、全部で30数個の関数をご紹介しましたが、組合せるとかなりの自動化が図れるはずです。しかし、それだけでは、まだエクセルの一部を利用しているにすぎません。メニューの中には日々の業務を効率化する様々な機能があります。これは便利だと思うものを中心にご紹介しましょう。
[データ]メニューにある集計機能について見ていきます。[データ]メニューには、エクセルに記入した表をデータベースのように扱ったり、入力を容易にするための機能が入っています。
まずは並べ替え。正確な集計をするには、まず並べ替えが必要です。作った表のどこかのセルをクリックした状態で[データ]-[並べ替え]を選ぶと、列を選択するためのダイアログボックス(小さなウィンドウ)が出てきます。自動的に表の範囲を選択していることも確認できるはずです。この表を作成する際、1行目にタイトルを入れておけば、自動的に1行目をタイトル行として認識して、選べるようになります。もし、タイトル行がないにもかかわらず1行目が選ばれていなければ、下に書いてあるデータの範囲の先頭行をデータにしてください。すると、1行目も範囲に入り、選ぶ項目が列A等へと表現が変わります。データ範囲がうまく指定されていない場合は、仕方ないので、予め範囲指定してからメニューを選んでください。なお、空白列があったり、空白行があるとうまくいきません。
並べ替えは、最大3つまで並べ替えできます。また、オプションメニューを使うと特別な並び替え(日月火水木金土)や大文字小文字の区別、行単位ではなく列単位(つまり横方向での並び替え)も可能です。
次に集計。並び替え終わった表のどこかをクリックした状態で[メニュー]-[集計]を選ぶと、ダイアログボックスがでて集計します。集計の基準になるグループを選び、集計対象列を選ぶと、グループをひとかたまりにして集計します。そして、自動的にアウトラインが設定され、グループの下に集計結果が表示されます。(アウトラインの上にある番号をクリックすると、閉じたり開いたりすること
がわかります。集計結果だけを見たいときに便利です。)
ところで、アウトラインとは、直訳すると概要という意味ですが、ここではグループ化した行もしくは列の集合体ということです。階層化できるので、大項目だけ・中項目まで・全部というように、段階に応じた表示ができるのがポイントです。もちろん、表示されているアウトラインの+?をクリックすれば、一部分だけ表示したり閉じたりすることも可能。また、同じ[データ]メニューの中にある[グループとアウトラインの設定]を使えば、グループをさらに追加したり解除することもできます。作業を行いたい行または列を選択した上で[グループとアウトラインの設定]の中にある[グループ化][グループ解除]を選べばOK。これは、印刷したくないが入力の際には必要なデータ、途中の式を隠したいときにも活躍します。
集計のもうひとつのポイントは、そこで使われている関数です。この関数はsubtotalというもので、引数が2個あります。2個目は範囲で、1個目が集計方法を番号で指定するものです。全部で11あり、よく使うのは1の平均・3のデータ個数・9の合計です。番号を入力しなおしてもよいのですが、再度[集計]のメニューから集計方法を選びなおしたほうが早いでしょう。また、この関数はS
UM関数と異なり、その関数の合計値がさらに外の集計に影響することはありません。つまり、SUM関数を小計で使い、中計でSUM関数の行も含めて全体を指定すると、結果はSUM関数の結果分増えますが、SUBTOTAL関数では結果が増えません。そのため、小計、中計、合計のようにいくつかの計を組み合わせたいときにおすすめです。見積書や数量計算書のまとめには効果を発揮するでしょう。その際も並び替えとグループ化が可能ならば、[集計]メニューを使う方が早く確実です。
以上、[集計]について述べましたが、これの欠点は、ひとつのグループでしか集計できないことです。これをカバーした機能を次回紹介したいと思います。