社内システムのモダナイゼーション(その11)

今回も引き続き社内システムのモダナイゼーションについてお話しをします。

前回はモダナイゼーションの留意点の1つとしてデータ分析業務についてお話しをしましたが、今日は外部システムの連携についてお話しします。

(7) 外部システムの連携

前回のデータ分析でも少しお話ししましたが、モダナイゼーションによりデータ出力が比較的簡単になることからデータ分析は別のITツールで行うことで、使用頻度の低い機能を入れずに済みます。

これには少し続きがあって、データ分析ツールのような汎用性の高いものは自社で作るように市販のものを利用したほうが安価で多機能だということと独立させることで他のツールへの置換も簡単にできるというメリットがあります。

同様に外部システムとの連携も相手システムに直接連結させるような仕組みではなく、できるだけ汎用性のある接続方法でつなぐほうが後での修正や拡張が容易になります。相手先によって連携方法が変わりますが、主に4つの方法があります。

1つ目はリソース共有と呼ばれるデータベースそのものを同じにするパターンです。当然、データベースそのものが共有できるとなると同じような社内システムとなりそうですが、データベースリンクと呼ばれる機能を利用すると一定の仕組みを作ることで外部からデータベースにアクセスすることができます。

2つ目はアプリケーション連携と呼ばれる外部からアクセスできるインターフェイスを用意するか、用意されている外部システムを利用する方法です。最近増えてきているのはWebサービスが提供するAPIで、連携をする方法です。インターネットを介するのでセキュリティや通信環境の問題がありますが、多くのシステムと連携することができます。

3つ目は従来からあるファイル連携です。上記2つに比べると即時性にかけることがありますが、データを一括で大量に処理するのには向いています。夜間や休日など利用頻度が低い時に処理を行うことでシステムの負荷を少なくしながらデータを連携させることもできます。もちろん、相手システムとの連携としても簡単な仕組みで対応できるため、上記2つができない場合はこの連携を考えることになります。

4つ目がメッセージ連携です。これは企業間EDI(電子データ交換)のように相手から送付された取引データ(メッセージ)を受け取って、手打ちや加工などをすることなくシステムに取り込む方法です。連携が非同期になるのは3つ目と同じですが、非定期でデータ量も大小ある場合はこの連携方法を検討します。

なお、相手が送るメッセージが流通BMSやCII標準、JCA標準など世の中の標準だけど自社の形式が異なるものを自社用のデータに変換するサービスやソフトがあります。もちろん、こちらから送付するメッセージも同様に変換できるので、固定された取引先でなく、いろいろな取引先がある場合はデータ変換ツールの導入も検討することをお勧めします。ただし、自社用は独自のモノでなく、上記のいずれかの標準に合わせておくと変換なしでも交換できることができるので合わせて検討してください。

いずれの場合でもオフコンのように外部取り込みが不得手なシステムに比べると連携しやすくなるのがモダナイゼーションの魅力の一つです。転記作業や送付作業で業務時間が増えているのであれば、この際にこれらの連携を考えてみてください。

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