前回に引き続き、エクセルで知っておくとちょっと便利な図形操作についてお話します。今回もSmart Artです。
前回はSmart Artを作成するための文字入力とレベル設定についてお話ししました。レイアウト・サイズも自動で変更してくれるのでそのままでも使える場合もありますが、少し編集したほうがよりよくなります。今回はSmartArtの編集についてお話しします。
Smart Artを選択するとSMARTツールというタブが出てきます。この中にデザインと書式という2つのタブがあります。
前回は[デザイン]タブのグラフィックの作成の大体の機能をお話ししていますが、図形の追加とレイアウト、右から左を説明します。
図形の追加はその名のとおり、SmartArtの図形を前後上下に追加できる機能です。実際はテキストウインドウに文字を入れると自動的に追加してくれるのであまり利用することはありません。先にレイアウトをイメージしたい場合に使いましょう。
レイアウトは階層構造の見た目を変えるものです。部下・下の層の配置を変える機能なので、構造が複雑な組織図を作る時に役立ちます。ただし、階層図以外では選択できない機能になっていますので注意してください。
右から左は並び替えです。流れを右からにするか左からにするかを変更する場合と図形の中に画像がある場合、右にするか左にするかを変更することができます。
その右隣にあるレイアウトは全体のレイアウトを変更するものです。一覧には同じグループ(階層図なら階層図)の他のレイアウトが並んでいますが、右下の矢印をクリックして、その他のレイアウトを選択すると全部のレイアウトに変更することができます。
その右隣のSmartArtのスタイルは色の変更と図形の効果をまとめて変更できる機能です。色の変更だけでもかなり印象が変わりますが、立体感を出すのもインパクトがあります。あまり強調しすぎるのもエクセルには向かないかもしれませんが、どんなことができるかぐらいは把握しておきましょう。
やりすぎても困ることはありません。その右隣にあるグラフィックのリセットを押すとスタイル関係はすべて初期値の状態に戻ります。デザインはもちろん、色も文字装飾もリセットされます。なので意図しないところまで戻ってしまうかもしれません。通常の機能である[元に戻す]いわゆるUndo機能と組み合わせて使いましょう。
初心者がよくやる失敗の一つとして、一部の図形だけを選択して、間違った位置に移動してしまうことです。元の位置に戻してもきれいに並ばずに困っている話をよく聞きます。しかも何回もやっているので、やり直し回数を超えてしまっていることもあります。
こんなときにリセットを使うときれいに元の状態に戻してくれるので安心です。リセットといってもレイアウトと色・文字装飾だけなので機能として覚えておくことをお勧めします。
最後に図形に変換です。これはSmartArtを普通の図形の組合せに変更するものです。SmartArtでつくったレイアウトを一部だけ使いたいとか、もっと自由に編集したいといったときに利用します。
変換後はグループ化された図形になります。グループ化を解除すれば、個別の図形となり編集は普通の図形同様にできます。また、ほかのソフトでも使いやすくなるので、Googleスプレッドシートのようなソフトで利用する際に役立ちます。
ただし、残念なことに図形ごとをつないでいる線がコネクタではなく、ただの線です。組織図などを分解した後に四角形側を移動しても線がついてきてくれません。また、四角形自体も接続位置が辺中央ではなく四隅になっている場合があります。組織図のような線でつなぐようなSmartArtは他のソフトで使う場合を除いてあまり変換のメリットは少ないかもしれません。