前回に引き続き、テキストファイルについてのお話をします。今回はテキストファイル関連ツールについて紹介します。
(1) テキストエディター
テキストファイル作成は、昔は普通に行っていましたが、今はエクセルや専用システムから出力することが当たり前で、一から作成することはほとんどないですよね。
ただ、テキスト作成ソフトである「メモ帳」がWindows10になっても存在するように今でも必要なソフトの一つとして認識されているのだと思います。残念ながらメモ帳では機能不足で作成・編集には少し物足りません。そこで登場するのがテキストエディターと呼ばれるソフトです。
テキストエディターの重要なポイントは使い勝手の良い機能にあります。一番よく使う機能は、検索、置換です。
検索は探したい言葉を検索するとその数がわかるだけでなく、テキストにマーカーを塗ったような表示がされることで全体的にどこにあるかがすぐにわかります。置換は置き換えたい文字と置き換える文字を順番に見ながら変えることも一括で変えることもできます。さらに少し高機能のソフトだと正規表現が使えます。この正規表現を使うことで、改行のみの行をなくすとか、先頭文字がある文字の行だけ置換するとかのかなり特殊な置換を簡単に行うことができます。覚えるのは少し大変ですが、使えるとマクロを組むより簡単にテキストを編集することができます。
あとよくお世話になる機能が文字コードの変換です。エクセルで直接読み込むと文字化けを起こすようなテキストファイルを事前にテキストエディターに読み込み、別の文字コードで保存しなおすことで文字化けをなくすことができます。
CSVに対しても特別な機能をもっているエディターもあります。読み込んだ際に列ごとに整列してくれる機能です。エクセルのような見やすさで編集できるのが便利です。箱型選択と組み合わせると部分的な切抜きなども簡単にできます。
ほかにもマクロ的な動きを登録できる機能もあり、複数の処理を連続で自動で処理することもできます。このあたりはエクセルマクロとどちらがいいか微妙かもしれませんが、便利な機能です。
(2) オンラインストレージ
本来はテキストだけでなく、いろいろなファイルを保存、共有できるのでテキストファイル関連ツールとするのは違和感を感じる方もいらっしゃると思いますが、少し離れた拠点でのテキストファイル共有には欠かせないツールです。
営業と現場、発注者と受注者など、以前ならメールでやりとりしていたために最新版管理に苦労していましたが、オンラインストレージならば、同期がきちんとできていれば、最新版を常に見ることができます。現場が作成したファイルを所定の共有フォルダに入れておくと自動的に同期され、ほぼ瞬時に営業所や内勤部署にファイルがアップロードされます。これにより時間ロスなく次の処理に移れるのは大きなメリットです。
また、Dropboxというサービスならば、更新履歴も削除復元もできますので、もしものときにも安心です。またインターネット上にバックアップがあるというのもうれしいです。
(3) OCR(光学文字認識)、音声変換ソフト
こちらは有償なものがほとんどなのと、元の文章や音声によっては変換効率に問題があることもあるので、条件付きでしかお勧めしていませんが、テキストファイル作成に大きく貢献できる場合もあります。
OCRソフトはイメージスキャナー等で作成された画像から文字情報を抽出するソフトです。手書き文字でもある程度の精度で変換してくれます。特にFAXでしかやりとりできない相手に対して、そのデータをテキスト化する際にOCRはすごく役に立ちます。最近のデジタル複合機はほとんどFAXをPDF等のファイルにすることが可能なので、それと組み合わせることで比較的簡単に仕組みを作ることができます。
音声変換は最近、成長が著しい分野ですが、こちらも手が離せないような業務の中での記録を取る際に活躍します。私も実験程度でしかまだ使っていませんが、以前より格段に認識力がアップしていると感じました。