デジタルカメラやスキャナーを用い、写真やイラストなどの画像データをつかった資料が増えてきました。見やすくわかりやすい書類には不可欠となっています。得意先への説明、上司への報告、近隣への紹介など用途はいろいろです。
ところで、画像データにはいろいろな種類がありますが、種類によっては向き、不向きがあることを知らない方が多いようです。今回は、代表的な画像データの種類についてお話します。
現在使われている主な画像形式は、以下の5種類です。
JPEG、GIF、BMP、TIFF、PNG
1.JPEG[じぇいぺぐ](拡張子は.jpg)
JPEGは、デジタルカメラを中心に写真データを電子化する際の事実上の標準規格になっています。ブラウザ(インターネット閲覧ソフト)でも見られますので、普及率はNo.1といえるでしょう。圧縮率を操作して画像データのサイズを小さくすることは可能ですが、そのぶん中の情報が抜け落ちる(非可逆圧縮)ので元には戻せません。
活用としては、写真・多色使用のイラストに使用します。圧縮でファイルサイズを小さくできるので、メールに添付するにも便利です。
2.GIF[じふ](拡張子は.gif)
CompuServeという米国のパソコン通信会社が開発した規格です。最高256色しか同時表示できないので、簡単なイラストやアイコンなどに使います。透過GIF(背景を透明にできる)やアニメーションGIF(イラストを何枚も重ねて一つのファイルにし、アニメのような動きのある画像を作れる)などの機能もあり、ホームページ作成に最適です。これも圧縮できますが、圧縮しても元のデータが損なわれない(可逆圧縮)ので安心です。
3.BMP[びっとまっぷ](拡張子は.bmp)
Windowsの標準画像形式。Windowsのお絵かきソフト「ペイント」の保存形式でもあります。標準形式なのでWindows環境では便利ですが、インターネットでは表示できないブラウザもあって適しません。非圧縮形式のため、基本的にファイルサイズが大きいです。
4.TIFF[てぃふ](拡張子は.tif)
米Microsoft社と米Aldus社が共同開発した画像形式です。WindowsとMacintoshの両方で利用でき、イラストを中心に多くのソフトで使用されています。FAXの画像形式にも用いられているのは有名です。また、よく地図データをスキャナーで読み込んでCADデータの背景に使われています。これもファイルサイズが大きい上にインターネットでは標準でみられません。
5.PNG[ぴんぐ]
JPEGやGIFに代わり、インターネット上で用いるために開発された画像形式です。圧縮しても元のデータが損なわれない(可逆圧縮)で、280億色が使えるなどJPEGとGIFの利点を集めた形式です。最近は徐々に普及し始め、携帯用画像として使われています。
画像形式の使い分けと同様に、画像サイズの使い分けも大切です。デジタルカメラの画素数でもお話しましたが、最近ではデジタルカメラはもちろんのこと、携帯カメラの画素数も飛躍的に多くなり、1枚あたりのデータが非常に大きくなってきました。下記におおよその画素数とJEPGでのファイルサイズを示します。
320× 240( 8万画素) 20KB 携帯の画面
640× 480( 31万画素) 70KB
1024× 768( 80万画素) 170KB
1280×1024( 150万画素) 350KB L版印刷ならこれで十分
2048×1536( 300万画素) 800KB A4印刷ならこれぐらい必要かな
メールで工事状況を知らせたいのであれば、80万画素もあれば充分です。インターネットに掲載するのであれば31万画素でもいいかもしれません。最近のブロードバンド環境で、大きなファイルサイズでも簡単にメールできるようになりましたが、無駄に大きくても意味がありません。300万画素のファイル(800KB)を1枚送るぐらいなら、80万画素のファイル(170KB)を5枚送るほうが相手に親切というものです。
画像データを上手に使いこなして、自分の情報をうまく発信してください。