Windows10(その3)

 今回もWindows10でよく相談を受ける話や特徴を紹介します。

(3) Microsoft Edge

 1995年から20年間、Windowsのインターネット標準閲覧ソフトは、インターネットエクスプローラーでした。たぶん、パソコン不得手な方は、この閲覧ソフト以外でネットを見たことがないかもしれません。最新バージョンは11です。

 Windows10からこれに変わって、エッジと呼ばれるブラウザ(閲覧ソフト)に変わります。一応、インターネットエクスプローラーも入っていますがあくまで企業の専用ソフト対策といったところでこれから新しくなることはありません。

 さて、なぜ今までのバージョンアップではなく、新しいブラウザになったのでしょうか。一番大きいのはインターネットエクスプローラー(IE)の独自機能や古いIEとの互換性がインターネット標準とかい離しているからです。

 パソコンが主流の時代であれば、それでも問題は小さかったかもしれませんが、スマートフォンやタブレットが普及し、それに伴い、モバイルファーストと呼ばれるWebサイトをモバイル端末で見やすくすることが優先されるようになりました。

 また、グーグルクロームやファイアーフォックスなど他のブラウザのシェアが増えてきてわざわざインターネットエクスプローラーに合わせることが敬遠されてきているからです。初心者の方ではあまり行わないと思いますが、少しパソコンが使えるようになると他のブラウザに乗り換えるになっており、結果としてブラウザのシェアは50%以下で以前に比べるとかなり小さくなっています。日本ではそれでもトップですが、世界ではグーグルクロームに大きく差をつけられて、2位になっています。

 さらに20年間継ぎ足してきた機能がコード(プログラムの中身)を複雑にし、メンテナンスが困難になってきていることも原因になっています。結果として不具合修正はできてもバージョンアップは1年に一回できるかどうかという感じでした。これでは、ネットの変化には到底ついていけるはずがありません。どうしてもリセットしてすっきりさせる必要があったのです。

 真っ新から始めることですっきりした形で始めるだけでなく他のブラウザと同様にネットのニーズに応じた機能追加も容易にするような仕組みになりました。インターネットエクスプローラーではこの機能追加が少ないため、シェアを落としている理由の1つになっていました。実際、他のブラウザソフトではプラグインと呼ばれる拡張機能が多く発表されており、使い勝手を大きく向上させることで人気を確保しています。

 残念ながらエッジの拡張機能は2016年にならないと提供されないようなので今はまだ使い勝手の悪いブラウザでスタートするしかありません。しかし、他のブラウザの機能も取り込めるような話も出ているのでできるようになると一気に機能アップするできるようになるかもしれません。

 ただし、いいことばかりではありません。インターネットエクスプローラーとの互換性はなくなったので、表示が崩れることやActiveXなどの専用技術が動かなくなりました。特にActiveXはブラウザで動くWebアプリと呼ばれる業務系ソフトでは多く使われているので、できるだけ早い段階でソフトを見直し、ActiveXを使わない仕組みに変更することが必要です。モバイルのことも合わせると既存のWebアプリは画面周りを大きく見直すことになりそうです。

 互換性だけでなく、メニューの位置や内容も大きく変わりました。インターネットエクスプローラーになれていた人ほどその変化に戸惑うことが多いと思います。機能紹介サイトやマイクロソフトのヘルプなどを利用して少しずつ理解していくしかないようです。

 まだ、出たばかりで機能も少なく他のブラウザに比べると見劣りはしますが、Windows10の標準である以上一定のシェアは確保するのは間違いありません。特にこれからWebサイトを作る企業やWebアプリで業務を使う企業は必ずエッジを考慮して準備を進めることをお勧めします。

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