Office2016(その6)

前回に引き続きOffice2016関連のお話しをしていきます。今回も新機能の紹介です。今回はPowerPoint2016です。

Wordで紹介した内容と同様、操作アシストやグラフ機能の追加、スマート検索やインク数式などの機能が利用できるようになりました。操作アシストは初心者には強い味方になると思います。Wordもそうですが、PowerPointもせっかくいろいろな機能がついているのに上手に活かすことができていない気がします。操作アシストはそのような方の補助になります。

バージョン管理も共同編集も強化されたので複数の人で作業をするにはとても便利になりました。逆にいうと単一で作業するにはあまりメリットがないのでこのあたりの機能強化は少し大きな会社向けか複数企業が関与するプロジェクト向けといった感じです。

PowerPoint2016としての新機能に1つはデザイナーです。これは写真を挿入するとその写真をどのように加工するかを自動的にレイアウトし、選ぶだけでその加工を行う機能です。背景にしたり、縮小してワンポイントにしたりと今までなら少しノウハウが必要だった操作を簡単に行ってくれます。

オリジナルテンプレートは作れないが、少し他の人と違うデザインにしたいときに自社や現場に関連する写真でデザイナー機能を利用するとひと味違うものになると思います。特にトップページになる最初のページを変更するだけでも印象はだいぶ変わります。

もう1つは画面切替の新効果である「変形」です。これは2つのスライドに同じ図形(オブジェクト)を置いた状態で、片方のスライドのオブジェクトの位置をずらしておくと、その2つの間の差を判断して、自動的にオブジェクトを移動させるものです。

具体的にいうと車のオブジェクトを1枚目は左、2枚目は右に配置しておき、この「変形」の画面切替を行うと左から右に車が移動するようなアニメーションを演出してくるというものです。

このような動きは「アニメーションの軌跡」で行っていたので、工法の手順表示を作成するときに苦労していましたがうまく利用すれば負担が減りそうです。ただし、重機の動きのようにある軌跡にそって行う必要がある場合は「アニメーションの軌跡」で行ったほうがよいとおもいます。

もう一つは「ズーム」という機能です。基本的には概要ページをつくり、リンクを貼る目次作成機能のようです。長いプレゼンテーションを行う場合に用意しておくとそこを起点に戻ったり進めたりすることができるので便利です。

残念ながら、上記3つの機能はOffice365ユーザーに限定されているようです。最新版を提供するというのは単に不具合修正だけでなく機能追加も意味していることがよくわかります。だからOffice365にしましょうというわけでもないですが、便利な新機能を見ているとマイクロソフトが本気でサブスクリプション版を進めていこうという想いが伝わってきます。

これ以外に画面録画の機能も追加されています。画面の一部の操作をそのまま録画し、挿入することができる機能です。

[挿入]タブの中にある[画面録画]をクリックすると小さなポップアップメニューが出てきます。その中にある領域の選択を選び、録画したい範囲を囲むと準備完了です。この際、あまり広めにとると無駄な背景が写ってしまうので最小限の範囲にとどめるか、無難な背景にしてから範囲指定をしましょう。なお、選択時にはPowerPointは最小化されますので、画面いっぱいになるようなソフトでも安心です。

その後、左から2番目の四角いボタンをクリックすると録画開始です。右にあるポインターはマウス形状をそのまま録画します。オーディオはマイクからの音声を録音しますので、しゃべりながら操作すると操作マニュアルになります。

録画後にマウスを画面上に持っていくとメニューが出てくるのでそこでボタンを押して停止するか、[Windows+Shift+Q]で録画終了となります。録画ファイルのサイズ変更、明るさ修正は画像編集と同じです。また、[ビデオツール]タブの[再生]にビデオのトリミングがあり、開始時間と終了時間を変更することができます。

最後に一番のお気に入りがこの録画ファイルがMP4形式で保存可能だということです。録画したものを右クリックするとポップアップメニューが出るので、[メディアに名前を付けて保存]を選びます。あとはファイル名を付けて保存すると独立したファイルとして利用可能です。

画面録画ソフトはいろいろありますが、新しいソフトを導入せずに利用できるのはいいですよね。自社開発ソフト操作手順やエクセル等での既存ファイルの操作を簡単に録画して利用できるのでいろいろなところで活躍しそうです。

なお、こちらはPowerPoint2013でも更新プログラム適用で利用できますので、2016のみの新機能ではありませんが、今回一押しの機能です。

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