現場で役立つエクセル操作【図形編】(その2)

前回に引き続き、エクセルで知っておくとちょっと便利な図形操作についてお話します。今回は準備編の続きです。

前回はまずは土台作りとして、

準備(1) 作る場所と貼る場所を分ける
準備(2) 方眼紙を作る

についてお話ししました。今回は図形描画のために最初に覚えておきたい操作についてです。

準備(3) 作業中は拡大・縮小をつかいこなす

エクセルの標準での表示ではあまり細かい作業は難しいですし、ディスプレイのサイズによっては、A4いっぱいのフロー図などを書いたときには全体像が見えないことがあります。

そこで、こまめに表示の拡大縮小を使いこなす必要が出てきます。基本機能であれば、[表示]タブのズーム機能で所定の%を選ぶことになりますが、エクセルの右下にあるズームスライダーを使うほうが便利です。

また、キーボードとマウスの組合せでも拡大縮小ができます。それがマウスのホイール+Ctrlです。エクセルのオプションの中にある詳細設定で「IntelliMouseのホイールで倍率を変更する」にチェックを入れるとCtrlを押さなくても拡大縮小はできますが、今度は縦スクロールにホイールが使えなくなるので、チェックを入れずにCtrlと組み合わせるほうをお勧めしています。

準備(4) グループ化を上手に使う

複数の図形を組み合わせることで特殊な形状の図形を作れます。1つの図形にテキストボックスを2つ入れることで段組みを作ったり、四角形や丸といった単純な形を組み合わせて構造物のような形を作ったりできます。

このときに必ず行ったほうが良いのがグループ化です。複数の図形を組み合わせたものは移動はもちろん、図形サイズの拡大縮小もバラバラで設定するのは大変です。グループ化すると全体で拡大縮小ができるのでイメージを崩さないままで作業ができます。また、あとでお話しする印刷イメージでもずれが少ないように感じます。

グループ化しても、文字の編集は個々の図形の色や形状の変更はその図形だけを選ぶとできますので、グループ化後の編集もあまり不便にはなりません。

準備(5) 印刷イメージをこまめに確認と設定の変更

エクセルはあくまで表計算ソフトであり、図形描画ソフトではありません。そのため、微妙なずれはやむをえないと思いますが、印刷時に大きなずれが発生することがあります。また、文字の場合は画面表示では問題ないが、印刷すると文字の最後が切れていることもよくあります。

対象方法の一番の策は印刷イメージの確認です。[ファイル]タブの印刷をクリックして、印刷プレビューを見ることでずれやはみ出した状態を確認しましょう。プレビューでOKならばほぼ大丈夫です。

大丈夫でない場合は余白を調整したり、図形サイズや文字サイズを小さくすることや図形位置をずらす、文字枠を広げることで印刷での問題は解決します。ただし、表示画面と印刷結果の違いはやむをえないと思ってください。

文字に関して補足するとプロポーショナルフォント(MS Pゴシック)から等幅フォント(MSゴシック)に変えるとトラブルが減ります。

図形の位置ずれは、セルとの位置関係が不明瞭な時に起きやすいようです。修正したい図形を選択したのち、右クリックメニューで[サイズとプロパティ]を選択し、図形の書式設定のウィンドウを表示させてください。その中にあるプロパティを確認し、「セルに合わせて移動やサイズ変更をする」をチェックしてください。これでセルとの相対位置をエクセルが把握して、画面と印刷が近い状態になります。

ただし、セルサイズを変更したり、セルの行挿入削除、列挿入削除を行うと連動して、図形も変わります。作業に支障がある場合は、一旦先ほどのプロパティを「セルに合わせて移動やサイズ変更をしない」を選択して、セルに影響を受けない状態で作業を完了させたあとで、上記の設定をしてから印刷イメージを確認してください。

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