今回からはエクセルで知っておくとちょっと便利な画像操作についてお話します。
少し昔の話をします。OFFICE XPまではMicrosoft Photo Editorと呼ばれる写真編集ソフトがついていました。基本的な画像編集であれば十分な機能を持った便利なソフトです。
Office2003からは代わりにMicrosoft Office Picture Managerがつきました。機能は減りましたが、色や明るさの自動補正やトリミング(画像の一部切り取り)、サイズ変更などちょっとした画像編集ができたので大変助かっていました。ただし、こちらも2010までで終了しました。
Office2013からなくなったので、どうしようとお困りの相談を受けたこともありますが、実は2010で画像編集は機能強化されて、これでいいだろうとマイクロソフトが判断したからとのうわさがあります。さて、前置きが長くなりましたが、エクセルでの画像編集を紹介します。
まず、画像挿入ですが、[挿入]タブの画像をクリックすると挿入用のダイアログボックスが表示されるので挿入したい画像を選んで挿入ボタンをクリックするだけです。画像をクリックすると[図ツール]タブが出ます。ここに編集機能があります。今回は調整機能から紹介していきます。
最初の機能は図の圧縮です。最近のデジタルカメラやスマホの画像はかなりファイルサイズが大きいです。そのためそのまま貼り付けて保存するとファイルサイズがかなり大きくなります。自分のパソコンで作業するだけでならいいですが、メールなどで送付する際に苦労することになります。[図の圧縮]をクリックして、目的に応じて解像度編集してください。挿入した画像によっては大きくファイルサイズが減少します。写真数が多いと効果はかなり大きいです。
なお、図のトリミング部分を削除するを選んでおくとトリミングした外側の部分が削除されて便利ですが、元に戻せなくなるので注意してください。
次の機能紹介は背景の削除です。製品画像のように背景が1色のものを透明にしたいことがあります。[背景の削除]をクリックすると背景の範囲選択が出てきます。これを動かすと自動的に削除対象を認識し、ピンク色に塗りつぶしてくれます。また、リボンに[背景の削除]タブが出てくるので、このなかの[保持する領域としてマーク]をクリックしてから画像をクリックするとクリックした場所の色から削除しない場所を自動判別して増やします。逆に[削除する領域としてマーク]をクリックしてから選ぶと削除領域が増えます。
色が複雑な画像の場合は自動判定がうまくいかないことがありますが明暗がはっきりしていれば割ときれいに削除してくれます。このあたりは領域の追加削除について多少慣れが必要です。
[修正]機能はシャープネス(鮮明度)と明るさ、コントラスト(色の差)を変更してくれます。以前のように自動調整はできないのが残念ですが、[修正]をクリックした後、出てきたメニューにカーソルを持っていくと画像が変化します。自分の好みの状態になった段階でそのアイコンをクリックすると確定します。なお、シャープネスと明るさ/コントラストは同時に選べません。両方行う場合はそれぞれ選んでください。また、さらに細かい設定をしたい場合は、メニューの下にある図の修正オプションを選ぶと%で指定できますので微調整ができます。
[色の変更]機能は彩度とトーン(色調)だけでなく、色の変更もできます。私が良く使うのは色の変更でグレースケールつまりモノクロに変更する機能です。写真によってはセピア色もいいかもしれませんね。こちらもメニューの下にある図の色のオプションを選ぶとより詳細な設定が可能になります。
[修正]と[色の変更]を使うとかなり印象を変えることができます。こちらも自分の想いを形にするのには慣れが必要にですが、最初は単に選んでみるだけでもいいと思います。