公式サイト構築(再構築)(その10)

前回に引き続き、自社の公式サイトを構築するための基本方針についてお話しします。

前回は基本コンセプトとして、どんな目的でどんな情報をどんなお客様に提供するのかを考えました。その際にできるだけ、顧客のニーズを意識してくださいとお話ししました。

今回はそのコンセプトをもとに具体的な掲載内容をある程度ページ単位で考えていきます。

(2) コンテンツ(掲載内容)の概要

ページ単位といっても掲載する文章そのものではありません。そこまで準備してもダメではありませんが、修正や統合を繰り返す可能性が高いので箇条書き程度でスタートしましょう。

準備が難しい内容であれば、ページをひとかたまりにしたカテゴリーもしくはグループといった感じで複数ページに対する箇条書きでも問題ありません。

大切なのは、コンセプトをもう少し具体的にして、サイト全体のボリューム(掲載量)を確認し、情報不足やバランスが悪いといったことがないようにすることです。

コンテンツ(掲載内容)でまず意識することは見に来てほしい顧客が欲している情報は何かということです。価格や商品情報はもちろんですが、同一機能で性能の異なる商品に対して、どのような考えで判断したらよいかといった情報もほしいはずです。商品によってはそもそもなぜその機能があるといいのかを説明することも必要かもしれません。

知っている商品やサービスであれば、価格勝負になる可能性はありますが、建設業の商品やサービスを詳しい人は多くはいません。ある程度は初心者向けの情報を充実させることが大切だと思います。

次に意識することは自社の商品・サービスの優位性は何かということです。最安値や高機能といったわかりやすいものから、ちょっと他社と違う付加価値があったり、自社しかないオンリーワンのサービスだったりすることがあります。ナンバーワンが理想ですが、中小建設業ではなかなか難しいことなので、いくつかの商品やサービスを組み合わせること+地域性を利用してオンリーワンを狙うほうが比較的容易です。

生コンクリートの運搬範囲のようにある程度地域を限定することが可能なのが建設業の一つの特徴です。もちろん、下請であれば、出張して他のところで仕事もできなくはないですが、どちらかというとまずは地元で一定の売上を確保したいところです。

その点では、他地域にあっても自地域にないサービスであればオンリーワンを狙うことは可能なのです。

次に意識することはターゲットにする顧客を絞り込んだページ作成です。高齢者向けと若い人向けはもちろん、民間と公共でも提供すべき情報は異なります。

例えば、お風呂リフォームであれば、高齢者向けであれば、ヒートショックの心配は大きいですが、若い人はそんなことは気にしません。むしろ子供のお風呂場での転倒やお風呂への転落のほうが気になります。前者なら、ヒートショックの危険性を紹介したのち、対策としての浴室ヒーターの提案がありますし、後者ならすべりにくい床素材や浴室のカギといった提案ができます。

大切なのはどちらかを意識してページを作ることと必要であれば、2ページを別のページに作ることです。まとめて作ることは可能ですが、検索的には効果が下がります。なぜなら、検索サイトから見れば、そのサイトの入口はトップページだけでなく、すべてのページが入口なのです。入口を減らすような行為がよくないのは理解してもらえると思います。さらに、見る人も不必要な情報があると見づらいです。相手を絞って、ページを増やすことが肝要です。

最後に意識することはそれぞれの掲載の優先順位です。企業として、どこに重きを置くかは決めておく必要があります。掲載内容をどれも充実させることは理想ですが、現実的には負担が大きいです。最初はどのターゲット顧客向けを充実させるか決めてその内容を充実させたのち、次のターゲット顧客の準備をするといった流れを考えておくことをお勧めします。

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