Webサービスを使った情報共有の紹介の2回目です。前回に引き続きファイル共有を中心とした利用方法をご紹介します。
Q3.離れた場所でファイルを共通で参照するにはどうすればいいですか?
A3.オンラインストレージサービスを利用しましょう。
[解説]
現場と協力業者、設計会社と施工会社、共同開発会社間などで、仕様書や基本方針、CAD部品や文書の雛形等を共有したいことがあります。同じ会社内であれば、イントラネットを構築し、ファイルサーバーを用意すればいいのですが、他社間ではそうはいきません。そこで、オンラインストレージサービスを利用します。
オンラインストレージとはネット上で利用できるハードディスクのようなものです。フォルダを作ったりファイルを読み書きできるのは普通のネットワークハードディスクとほとんど変わりません。違いは転送速度がインターネット接続環境に左右されるため、あまり遅い回線だと読み書きに時間がかかるということです。また、外部に保存しているためにセキュリティ上の心配が多少増えることになりますが、特定のIDだけしか入れない設定ができますので、誰にでも見れるという状況ではありません。それらの点を理解していれば、簡単にファイル共有ができます。
ファイル共有によくあることとして、不慣れな人が大事なファイルを間違って書き換えてしまうということがあります。そこで、お勧めの使い方は閲覧・参照を主体としたファイルのみを共有することです。管理者がバックアップを持っておいて、間違った操作のときには、そこから復旧してあげればOKです。参照中心であれば、書換えの心配も少ないので、トラブルも少ないでしょう。
共有サービスのほとんどは無料のID取得が必要ですが、先ほどの特定IDによる閲覧制約を設けるためには参加者全員で取得することをおすすめします。
Q4.相手がソフトをもっていないときはどうすればいいですか?
A4.閲覧ソフトをダウンロードしてもらいましょう。表計算やワープロであればフリーソフトも有効です。
[解説]
他社とファイル共有を行うときに相手方にファイルを作成したソフトがない場合があります。また、ソフトがあっても古いために閲覧できないケースも少なくありません。この場合は、閲覧ソフトをダウンロードしてもらいましょう。著名なソフト(マイクロソフトオフィスやAutoCAD、PDF等)は閲覧ソフトを無料配布しています。特にAutoCADの閲覧ソフトであるDWG TrueViewは拡大縮小や画層のオンオフにより目的にあった閲覧ができるので、とても便利です。
一方、閲覧だけでなく、編集してもらいたいときもあります。ワープロや表計算であれば、OpenOfficeのような無料ソフトを導入してもらったり、ZOHOやGoogleドキュメントのようにオンラインサービスで対応しましょう。CADデータもJW_CADのような無料CADの形式にした後に共有する方法をとります。ただし、どのケースも装飾や文字位置などで若干のずれが出る可能性があるので十分留意して使用してください。
また、バージョンが古いだけであれば、大抵のソフトは古いバーションの形式で保存できる機能があります。特殊な機能を使わない限りは、共有する会社の中で一番古いバージョンで保存するルールを作ったほうが作業効率は高いです。
Q5.写真をみてもらうのに便利なサービスはありますか?
A5.写真共有サービスを利用しましょう。
写真もファイルですので、前述のオンラインストレージサービスを利用してもOKですが、写真共有サービスのほうが便利な機能がついていますので、そちらを利用することをお勧めします。
Yahoo!フォトであれば、写真の一覧はもちろん、スライドショーやプリントサービスなども利用できます。また、容量が比較的大きいのでいまどきの高解像度カメラでも圧縮することなく楽に保存できます。ただし、相手のことを考えて、できれば適切なサイズに小さくすることも大切ですね。