前回に引き続き、テキストファイルについてのお話をします。今回はテキストファイルとエクセルです。
テキストファイルを使う代表的な業務は各種データの加工です。今回はエクセルのテキストファイル出力からお話しします。
テキストファイルの出力といっても難しい操作はありません。ふつうの保存と同じように、メニューから名前を付けて保存を選ぶだけです。ただし、その際に注意すべきことが3つあります。
一つはテキストファイルは一つのシートしか保存できません。複数のシートを一つにとか別々のファイルに同時に複数ファイル保存といった機能は残念ながらありません。保存したい対象のシートを表示してから保存することを忘れないでください。
もう一つは複数シートを保存しないということと連動するのですが、表示していない他のシートのデータはそのままだと失われるということです。作業中は表示されているので保存されていると勘違いするかもしれませんが保存はしていません。他のシートも同じ作業で別ファイルに保存するか、エクセルブック形式で別途保存しておくようにしてください。複数シートが前提の作業ならばいつもはエクセルブック形式で保存し、テキストファイルを使いたいときに一旦エクセルブック形式で保存したのちに名前を付けて保存でテキストファイルに保存することがおすすめです。
最後は保存形式がいくつかあるので、その特徴を把握して、自分の使いたい形式に保存することです。
(1) テキスト(タブ区切り)(*.txt)
タブで区切ったテキストファイルを作ります。拡張子がtxtなのでメモ帳では開きやすいです。また、文字数がタブインデントの数(半角8文字)より少なければメモ帳で開いたときに列が並んで見えるので見やすいです。ただし、タブが見えないので加工はしづらいかもしれません。
(2) Unicodeテキスト(*.txt)
タブで区切ったテキストファイルを作ります。その点では上記と同じですが、保存する際の文字コードが異なります。上記はShiftJIS(Macの場合は別)ですが、こちらはUTF-16LE(BOM付)です。
(3) テキスト(スペース区切り)(*.prn)
スペースで区切ったテキストファイルを作ります。ただし、スペース一つでデータを区切るのではなく、印刷した見た目のようにスペースを挿入します。
左寄せ、中央、右寄せもそれにあわせた感じでスペースを挿入しますので見た目がかなり似ています。つまり、スペース区切りというより固定長出力といったほうがイメージがあるかもしれません。
なお、この拡張子(.prn)は表計算ソフトLotus123に合わせたものなのでですが、プリンターに印刷する際に[ファイルに出力]オプションを選ぶとできるファイルの拡張子と同じなのが難点です。
あとこれは制約なのですが1行がスペースを含んで半角240字を超えると出力の際に2行に分けて出力してしまいます。次の作業で思わぬ誤動作をすることがあるので注意してください。
(4) CSV(カンマ区切り)(*.csv)
テキストとは書かれていませんが、カンマ(,)区切りのテキストファイルです。たぶん、これが一番使う形式だと思います。また、ほかの形式と違い、標準でエクセルが開く設定になっているのでファイルをダブルクリックするとエクセルが開き、読み込みます。CSV形式にはいろいろな注意事項があるのですが、それは対策も含めて次回以降にお話しします。