現場で役立つエクセル操作【図形編】(その8)

前回に引き続き、エクセルで知っておくとちょっと便利な図形操作についてお話します。今回も特別な図形編です。

一般的な図形はそれぞれ独立しています。もちろん、グループ化すれば一体的に動きますが、通常は連動することはありません。

この中で線は少し特殊な動きをすることができます。線を他の図形と少し離して使う場合は他の図形同様動くことはありません。書き方も始点から終点に向かってドラッグで書けばOKです。

ところが線を書く際にマウスの他の図形の上にのせるとコネクタと呼ばれる点が図形に表示される。四角の場合は辺の真ん中にでます。ひし形の場合は頂点です。三角形の場合は辺の中心と頂点も表示されます。

このコネクタの部分から始めると線と図形がコネクタで接続された状態になるのです。実際に2つの四角形の側面を線で結ぶとイメージしやすいでしょう。この状態で四角形を移動させると線もそれに応じて長さや向きが変わり、コネクタから離れないようにできます。直線だけでなく、かぎ線コネクタ、曲線コネクタと途中を曲げることができる線でも同様のことができます。残念ながら前回紹介したフリーハンドとフリーフォーム、曲線はコネクタとの接続はできません。

かぎ線コネクタや曲線コネクタは線の間にハンドルがあり、形状を変えることができます。形状が自動的に変わるのであまり触ることはないかもしれませんが、他の図形と線が重なる時などに動かすことで見た目をきれいにすることができます。

さて、このようなくっつく線を使った図は何に便利なのでしょうか。まずはフローチャートです。みなさんも作業手順書や安全書類で作業を四角で囲んで矢印を付けたことがあると思います。

今回の仕組みを使うととりあえず、思いつくままに単位作業を書き出して単位作業をコネクタで接続することで簡単にフローチャートがつくることができます。分岐条件もひし形とかぎ線コネクタを使えば見栄えよくつくることが可能です。

ここで重要なのは図形レイアウトを後で行ってもコネクタが外れないということです。描画ツールの配置機能を使って整列も均等配置もできますが、その際に線を付け直す必要がありません。

フローチャートに必要な図形は[挿入]-[図形]の中にフローチャートというグループがあります。カーソルを挿入したい図形にもっていくと説明が出てきます。どの図形をどの役割にするのかはJIS規格に準拠しています。特別な目的がない限りは説明と同じ役割をもたせた書き方をお勧めします。

次にインフルエンスダイヤグラムです。これは影響図とも呼ばれるものですが、いろいろな物事の影響や課題の分析、業務間の関係などをわかりやすくするものです。端的な例をあげると「風が吹けば桶屋が儲かる」のような複数の事象がつながって、無関係のような出来事がつながるようなことをわかりやすくするための図解法の1つです。

この図を作る時に曲線コネクタが活躍します。インフルエンスダイヤグラムの特徴として、原因が結果を生み出すだけでなく、その先の結果がまた元の原因となるといったループ状になることがあります。このような図を描く際に曲線コネクタだと表現がしやすいのです。

最後にマインドマップです。直訳すると心の地図ですが、頭の中で考えていることを図式化する思考ツールです。安全対策や業務改善など1つのテーマを元に放射線状にキーワードをつなげている手法です。QC7つ道具の特性要因図が一番近いと思います。

有償で便利なマインドマップのソフトはありますが、ちょっとした内容で作るのであれば、エクセルで十分対応可能です。表との組み合わせができるぶん、使い方によっては専用ソフトよりいい部分もあります。

上記のようなことをエクセルで行うときはぜひコネクタを使ってみてください。便利ですよ。

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