デジタルトランスフォーメーション

今回からデジタルトランスフォーメーションについてお話しをします。

デジタルトランスフォーメーションって聞いたことがありますか?略称でDXと呼ばれていますが、ピンとこない方のほうがまだまだ多いような気がします。ちなみに英語圏ではTransを省略するとXと表すことが多いため、DTだけでなく、DXになっているようです。

Wikipediaによると「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念だそうです。デジタルシフトと呼ばれていることもあります。ビジネス面でいうと「企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」ということになります。

とはいってもふわっとした感じですよね。もう少し具体的な例でお話しします。まずはAmazon.comです。Amazon.com創業時はネットで本を買うということは一般的ではなく、本の良し悪しは本屋に行き、自分で読むか専門家の書評を頼りにするしかありませんでした。特に専門書は大きい都市でしかないことが多く、入手にも苦労していました。

Amazon.comによって、購入客が少なそうなかなりマニアックな本も入手することができるようになりました。カスタマーレビュー機能で本の書評もわかり、レコメンデーション機能で類似の本もわかるようになりました。なじみの書店員を持ったような感じです。しかも配送設備に巨額の投資を行い、短納期での納品を実現した結果、少し無理して遠く書店にいくより多くの利便性を顧客が体験することができました。結果として、ネット書店は増え、リアルの本屋は厳しい状態になりました。Amazon.comに関しては、さらに取扱商品を増やすことで書店・出版業界だけでなく、小売業界全体に大きな変革をもたらしています。

このようなITを利用して、顧客に対して大きな変革をもたらすことをデジタルトランスフォーメーションといいます。

これ以外にも民泊を泊める側と泊めてもらう側を比較的簡単にマッチングさせることができるAirbnbはホテル・旅行業界に大きな影響を与え、新たな法律まで策定されました。

NetFlixの登場でビデオはネットで見るという人が急増し、レンタルビデオ業界に大きな影響を与えただけでなく、自主製作作品により制作側であるテレビ・映画業界そのものにも影響を与えるようになりました。

Uberも配車アプリを通して、気軽に乗車できる仕組みを提供し、タクシーやレンタカー業界に大きな影響を与えました。雇用問題や運転手の資質などで問題を抱えていますが、顧客側に大きな変化をもたらしたのは間違いありません。

PayPalは日本ではまだ少しなじみが薄いかもしれませんが、銀行に行かずに決済をできる仕組みを構築し、クレジットカードすら使わずにできることは金融業界に大きな影響を与えました。特にクレジットカードの店舗審査を通過するのが難しい小規模企業にはとてもありがたい存在でした。

どれも共通することはクラウドサービスであり、スマホやタブレットといったモバイルでもできることであり、ビッグデータを分析したり、ソーシャル技術で顧客同士をつなげています。このように「クラウド」「ビッグデータ」「モビリティ」「ソーシャル」の4つの要素によって形成される情報基盤のことを第3のプラットフォームといいます。ちなみに、第1のプラットフォームは「メインフレームと端末」で、第2のプラットフォームは「クライアントとサーバー」のことを指します。

上記のサービスやその類似サービスを利用されたことがあるかたは自分の行動が昔と変わったことに気づかれたと思います。この顧客に新しい体験を提供し、自社の仕事の在り方も大きく変化することがデジタルトランスフォーメーションです。

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