リムーバブルメディア(その6)

今回もパソコンの選び方の番外編として、リムーバブルメディアに関するお話しをします。今回は最近はほぼ見かけないFDとMOとその他メディアを含めた保管についてお話しします。

(5) FDとMOディスク

フロッピーディスクは柔らかい円盤という意味で、ハードディスクとの対に使われている言葉でした。サイズは8インチ、5.25インチ、3.5インチの3種類があり、容量は1DD(640KiB,720KiB)、2HD(1200KiB、1440KiB)が多く使われていました。

1990年代まではリムーバブルメディアの主力として使われていましたが、その後は他のメディアに押されて急速になくなっていきました。若い人の中には見たこともない人がいると思います。読み書きするドライブはまだありますが、だんだん入手が難しくなりそうです。

MOディスクはMagneto Opticalの略で光磁気ディスクと呼びます。1985年に5.25インチ、1991年に3.5インチが発売されました。カートリッジに入っていて保存期間が長いことからバックアップ向けに日本では大人気となりましたが、当時、海外ではZipドライブが普及しており、CD-Rの登場もあって、2010年には終息しています。

どちらも今後は読み書きができるドライブの確保が難しくなることから、必要であればさらに別のメディアへのバックアップをとることをお勧めします。

(補足) リムーバブルメディアの保管

リムーバブルメディアで一番長いのは長期保存用光ディスクで100年以上(一説には1000年)と言われています。その次が今回紹介したMOディスクで最大50年、CDやDVD等の一般用光ディスクが10年から30年、USBメモリやSSDが5年から10年、ハードディスクが5年程度と言われています。

しかし、ハードディスクのように磁気や振動、衝撃に弱いモノはもちろん、全般的に高湿度、高温、ほこり等は不向きなので、リムーバブルメディアの保管環境には、十分な配慮が必要です。保管環境が悪いと確実に寿命を縮めますので、今の環境を確認し、必要に応じて改善してください。おすすめは冷暗所で耐震補強が行われている倉庫のような場所でメディアをさらにケース等で保管することです。

もちろん、保管方法によってもっと長持ちすることもありますが一応の目安として見ておいてください。つまり、建設業のように設計図や計算書等を長期保存するには長期保存用光ディスクを利用するか定期的にリムーバブルメディアの保管しなおしを行う必要があるということです。このリムーバブルメディアでの再度保管については2つポイントがあります。

1つはバックアップ先をリムーバブルメディアだけでなくクラウド上のオンラインストレージも対象にするということです。こちらも万全とはいえない可能性があるので、大事なデータであれば、リムーバブルメディアとオンラインストレージの両方に再バックアップすることをお勧めします。

もう1つは、保存しているファイル形式に留意し、必要であればファイル自体の変換や閲覧ソフトの同梱を検討してください。ワードやエクセル、PDF、著名なCADソフトなどはもともとのソフトウェアメーカー以外でも読み書きできることが可能なため、あまり心配はいりません。

しかし、他の専用ソフトで作成したデータや文書はソフトが古いOSでしか動かない場合、あっても使えないといったことがおきます。せっかくの資産が活かせないのはもったいないので、できれば再バックアップをとる際にデータが今後も閲覧可能かどうか確認し、難しそうであれば、テキストファイルやPDFファイルへの変換を行っておくことをお勧めします。閲覧ソフトが新しいOSでの対応していれば、それを入れておくだけでもいいです。

リムーバブルメディアはとても便利ですが、それはしっかりした保管があってこそです。忘れないようにしてください。

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