前回に続き、コードの作成についてお話します。
前回はコード設計に対する補足事項についてお話しましたが、その中でも少し触れた旧コードからの変換についてもう少しお話します。
旧コードからの変換
前回は備考欄もしくは専用項目に旧コードを記載しておくといいですよとお話しましたが、対応が1対1にならないことも少なくありません。
特に細分化して管理する場合は1つの旧コードに対して2つ以上の新コードが対応するので、旧コードだけでは、どちらに該当するのかが不明瞭になります。必ず、追加記述が必要ですね。
逆に複数の旧コードを1つの新コードで対応する場合、既存の集計表やチェックリストより数が減るので、システムの入替前後の年度で特定の集計結果がおかしくみえることもあります。何も知らない上職者が見ると集計ミスかと思われかねません。
さらに分類の見直しや設計のし直しで旧コードと新コードの対応が多対多になるとシステム入替前後の集計比較はほぼ困難といった事態になります。
システム担当者や業務担当者はあまり気にならないことかもしれませんが管理層や経営層では、管理指標・経営指標に利用している場合もあるので、一大事になることも多いです。特に特定の部署で利用しているシステムだとその点を気づきにくいです。
旧システムのヒヤリングの際にシステム利用者だけで課題を抽出することが多いため、このような二次利用者の声は拾い損ねることも少なくありません。
現場管理システムで現場主体で取引コードを考えていくと、経理や調達が担当する外注管理システムで大きな問題が起きるということもあります。その先に他システムとの連携があるとなるとさらに気を付ける必要があります。
集計等の二次利用、他システムとの連携といった三次利用
そのために行うことは設計時に単なる対象コードの入出力といった一次利用だけに留まらず、集計等の二次利用、他システム連携といった三次利用にも目を向けておく必要があるということです。
コード設計の場合、帳票設計もセットで行うことが多いので、集計帳票がシステム化されていれば気付くのですが、システムが古く一次利用向けで、二次利用の集計等はCSV等で出力したのち、エクセルで集計していたとかになるとシステム内に帳票がないために見落とすことになります。
対策としてはやはり二次利用もきちんと確認することです。集計だけでなく、他のシステムへの連携までチェックすると新コードが連携しづらい形になっていて、旧コードでなぜこのようなコード体系をしていたかを気付くこともあります。データの利用範囲を考慮することは非常に大切です。
新旧コードの対応表
あとは、しっかり旧コードと新コードの対応表を作りましょう。旧コード、新コード全体の対応表が理想です。対応表をつくることで、旧システムからのデータ変換が円滑にでき、集計表も新コードで集計しなおすことが可能になります。
ただし、1対多に関しては、多の根拠になる旧システムの他項目かサブコードをセットにし、多対1に関しては、集計表の項目数が減ることを何かに明示するなどの配慮が必要です。
対応表作成時にコード数が多い場合は上記のような1対1にならないケースに限定してだけでも対応表をつくるようにしてください。
対応表をつくることで思わぬ発見ができ、コード設計の見直しにつながることもあります。なので、現行と体系が大きく変わるコードに対しては設計段階で早めに対応表をつくり、例外がないかチェックをしておくことをお勧めしています。自社で行う際はぜひ考慮してください。