前回に続き、書類の4Sにも欠かせないコードの作成についてお話します。
今回はいよいよコード基準の作成、いわゆるコード設計についてお話しします。
前回は準備として、目的や背景、参照できそうなコード体系の調査や対象範囲、データ数の設定といったことを行いました。これらをふまえて、いよいよ具体的なコードを考えていきます。
1.有意コード、無意コード
まず、コードに意味を持たせるかどうかです。例えば東西南北であれば、EWSNを入れるとか資材ならMで建材ならBといった感じで英語の頭文字を使って意味をつけるのはよくあります。
そのため、一般的に有意コードはアルファベット、無意コードは数字の連番を使うことが多いです。
ただし書類の保管場所いわゆる棚番であれば1桁目は、階、2桁目は左からの通り、3桁目は手前からの列、4桁目は下からの段といった感じで数字ですが意味を持たせるといったこともあります。
場所はイメージしやすい反面、列が10列を超えると数字表せないです。通常だとAが10といったいわゆる16進数の応用みたいなのでカバーしますが、ちょっとわかりづらいですよね。数字で行くなら桁数が増えざるを得ません。
このように有意コードは意味がすぐに分かる反面、桁数が増える点を留意する必要があります。無意コードはその点、連番で対応することが多いので桁数を抑えやすいですが、意味が分からないのでコード変換をして意味がわかるものにする必要があります。
利用者の利便性や利用頻度(頻度が低いと意味を忘れやすい)、コードの増加量、コードに結びつく情報の更新頻度(内容が変わりやすいのであれば、無意コードにして参照できる仕組みを考える)を踏まえて、検討しましょう。
2.桁数の検討
有意コードにするか無意コードにするかは全体の桁数を考慮することも必要です。
前回の準備で調査したデータ量を踏まえて、8桁以内に収めることがお勧めです。8桁ぐらいが覚えやすいからです。単独で使う分にはもう少し桁数を増やしてもいいですが、出庫指示書に印字するとか作業指示書に印字するとかするとあまり桁数が多いと場所をとるからです。
どうしても桁数が欲しいが、場所を取りたくない場合は1次元バーコードではなく、QRコードを検討してください。
あとはJANコードに合わせて13桁を薦めるケースもありますが、通常のものは国や企業コード、チェックデジットがあり、実際は最大で5桁しか使えません。インストアコードとしても10桁です。他とのコード体系と合わせるメリットと有効桁数が減るデメリットを考慮しましょう。
利用箇所を考えて桁数を決めることで、再度桁数に収まる中で有意コードと無意コードを検討してください。
3.桁の並び(階層化)
また、桁並びはできるだけ、左から右に向かって分類が細分化するか業務の目的で絞れるように意識しましょう。先ほどの在庫位置であれば、階、通路、列、段で位置が特定できるといったイメージです。大分類、中分類、小分類といった形で決めていきましょう。
階層も多いほど区別はしやすいですが、桁が増えやすくなります。業務での集計区分や責任分担、業務範囲などを考慮して、階層数を決めてください。
なお、階層の上位は有意コードを利用して、下位は無意コードを利用するといったケースが多いです。