コード化

今回から書類の4Sにも欠かせないコードの作成についてお話します。

書類作成を効率よく行うためには、代表項目とそれに付随する補足項目をひとつで表現できるようにすることが必要です。

コードとは

例えば、氏名が重複していないことを前提にすると氏名を記載しておけば、生年月日、住所(郵便番号、都道府県、市区町村、残りの住所)、電話番号、メールアドレスがセットで認識されるという形です。顧客管理でよく使う方法ですね。

とはいえ、氏名が重複しないとは限りません。そのため、複数項目で特定するために、氏名と生年月日、氏名と電話番号といった問合せをすることが必要になります。

この際に間違いにくく、認識もしやすい項目を新たに設けてそれで代替することをすすめます。上記でいうと顧客コードがこれにあたります。コードとは記号、規約といった意味ですが、データを認識しやすくするための略号です。間違いの起きやすい漢字(異体字があるため)、半角カタカナやひらがなとの混在等をさけるため、一般的には半角英数字で表現することが多いです。

このように事務やコンピュータで処理しやすいようにする作業をコード化といいます。もう少し具体的に説明すると本来の名称を使用目的に応じて、識別するための略号や記号、符号、暗号などで表現することとなります。

有意コードと無意コード

コードは大きく2種類に分かれます。一つはその英数字に意味がある「有意コード」、もう一つは意味を持たない「無意為コード」です。

例えば、顧客コードでいうと、企業の顧客はEnterprizeの頭文字をとってEから始まるコードを作り、個人の顧客はPersonalの頭文字をとってPから始まるコードを作ることで、顧客コードでどちらの顧客かを判断できるといった感じにするのが「有意コード」です。

その後に続く番号は契約日順だったり、お問合せ日順だったりで連番で付ける場合、その部分は「無意コード」となります。例えでいうと「P001」個人顧客の最初の方ということです。

有意コードと無意コードは組合せることができるので、作り方を工夫するとコードだけである程度の情報を把握することができます。

また、コードは企業が独自に作成する独自コードとISOやJISといった標準化団体・各種業界団体が作成する標準コードがあります。よっぽどの理由がない限り、まずは標準コードを使うことを基本に考えて、ない場合は独自コードを検討するようにしましょう。

コード化のメリット

コード化のメリットも少し具体的にお話します。一番目は記号を定めて統一的に管理できることです。先ほどのような文字のブレやミスが減るので、トラブルが減ります。

二番目はコードがルールの決まった英数字で入力できるので、書類への記載やシステムへの入力速度の向上を図ることができることです。顧客コードであれば、そのコード番号さえ記載しておけば、あとから氏名や住所、メールアドレス等はあとから別の人が記入することもできますし、システムであれば、顧客コードに連動させて自動的に表示させることもできます。ひとつずつ書くときに比べれば格段の差になりますよね。

三番目は分類が簡単になり、チェックや集計の時間を短くすることができます。前述の企業と個人を分けるような「有意コード」を入れておくと企業の顧客人数、個人の顧客人数は取引中止の人がいない限り、最新の顧客番号を見るだけでわかります。

四番目は当然、コンピュータでの処理が簡単になります。氏名であれば、同姓同名の問題や氏と名の間に空白があるかないか、その空白が半角か全角かといった入力時のあいまいさに左右されることがありますが、英数字で明確に定義された顧客コードであれば、その心配がなく、上記のような企業顧客、個人顧客別の売上や利益も比較的簡単に集計することができます。

コード化は取っつきにくい部分もありますが、業務効率化には欠かせない手法だと思います。

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