コード運用

今回からは、コードの運用についてお話します。

前回まで、8回にわたり、コード作成についてお話しましたが、今回からはその作成したコードの運用についてお話します。

コード管理とコード利用

コード運用には、大きくシステムを常に最新で最適なコードの状態にしておくコード管理と適切なコードを適時使えるようにするコード利用があります。

前者は主にシステム担当が担う役割であり、後者は主に業務担当が担う役割です。しかし、実態は「コードの追加・更新・削除の情報は、業務担当が持っているのだから、コード管理は業務担当がやるべきでしょう」「システム操作なのだから、コード利用はシステム担当がきちんと指導すべき」といった感じで主担当の押し付け合いになっていることが少なくありません。

よくあるトラブル

よくあるパターンとしては、システム担当側にコード運用、コード利用の責任が押し付けられて、利用はできるもののコードの更新性が低く、業務側の自己責任を棚に上げて、システムが使えないといっているケースです。自社開発のときによくあります。

逆のパターンはパッケージで、システム担当が不在で、ベンダーに聞くもよくわからず、業務担当が苦労しながらコード管理をしているケースです。

コード管理、コード利用のいずれもシステム担当、業務担当が協業なしにはできないものです。

業務担当が新製品や新規顧客の情報とコード基準に基づいて、コードを決めたのち、システム担当がすばやくシステムに登録する。もしくは登録しやすいようなテンプレートをシステム担当が用意して、業務担当自身で登録できるようにする。

単価や製品名、顧客担当等が変わったら、必要に応じて、コードに付随する情報を修正できるように業務担当とシステム担当が連携して最新情報に更新することが必要です。

追加はもちろん、更新も関係者に広く伝えることも大切です。コード利用の際に間違ったコードを利用して、システムデータが使えないものになるのを避けなければなりません。使えないシステムの多くの理由が運用体制の問題に起因していることが多いのです。

連絡会議

このために、コードの追加・更新頻度に応じてですが、月に1回程度は連絡会議のようなものを開き、関係者で情報共有を促す仕組みを社内に作ることをお勧めします。

原則、第3木曜日の16時からといった形で時間を決めておき、コードの追加・更新がなければ、開催しないといった形にしておけば、情報共有漏れも少なくなるはずです。

コード追加が簡単にできるのであれば、その場でコード追加をしてしまうのもいいかもしれません。また、定型的によく金曜日にはコードの追加・更新・削除の情報をシステムの全利用者に情報展開する仕組みもセットにしておきましょう。

特に新しいコード追加やコード削除はいつから使うべきなのか、いつから使えなくなるのかを明示しておきます。システム側で一定期日で利用開始、利用禁止ができる機能があればベストですが、多くの場合は利用者が意識的に利用を制限するしかないことが多いので、このようなアナウンスは重要になってきます。

また、新しいコードが古いコードの置換だった場合はこの時期の徹底をきちんとしておくだけでなく、システム側でもこの時期の前後はこまめなチェックを行い、不備がないかどうかを確認する体制も作っておくべきだと思います。

未だにシステムに入っているものは正しいと思いがちな人が少なくありません。それが理想です。そうあるために、コード管理とコード利用をシステム担当、業務担当がしっかり協業していく必要があるのです。

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