現場に役立つエクセル関数(その3)

 エクセル関数の3回目は、文字列結合です。エクセルで表計算と同様によく利用する一覧表作成(計算を行わずにエクセルを使っている)のときに役立つ関数です。

 No.1とかSTA23+20とかをどのように入力しますか?
「そのまま、入力しているよ」という人が多いでしょう。それでは、STA23+20からSTA25+40までの距離を計算する際はどうします。(STAは100mごとで1あがるとします)
「う?ん、横に2320と2540と入力して、それを用いて計算するようにする!」
それも正解です。でも毎回入力するのは面倒ですね。これを、関数を使って取り出せるのです。

 

代表的な文字列関数は、下記のようなものがあります。

  目 的               関数名
半角文字を全角文字にする   JIS(文字列)
全角文字を半角文字にする   ASC(文字列)
文字列を数値に変換する    VALUE(文字列)
四捨五入して文字列にする   FIXED(数値,桁数,桁区切り)
特定の表示形式の文字列にする TEXT(値、表示形式)
文字列を結合する        CONCATENATE(文字列1,文字列2)
文字列の左端から文字を取り出すLEFT(文字列,文字数)
文字列の右端から文字を取り出すRIGHT(文字列,文字数)
文字列内途中から文字を取り出すMID(文字列、開始位置、文字数)
対象文字位置を表示する    FIND(検索文字列、対象、開始位置)
文字数を数える        LEN(文字列)

( )の中の文字列はセル番号(A1等)を入力できますので、一度設定すれば、あとはコピー貼り付け または、オートフィルで簡単にコピー出来ます。上記の例で、A1セルにSTA23+20と入力しておくとすると

 =MID(A1,4,2)*100+RIGHT(A1,2)

 で2320と表示されます。逆に、A1セルに2320を入力して
 
 ="STA" & LEFT(A1,2) & "+" & RIGHT(A1,2)
 
 と入力するとSTA23+20と表示されます。ここで、「&」は文字列の結合をするための演算子というものです。ただし、間違って、
 
 ="STA" & LEFT(A1,2) + RIGHT(A1,2)
 
 と入力するとSTA43となってしまいますのでご注意してください。(20+23を計算して43とするため)

 また、STA23のように全角にしたものから数字を作るときは、
 
 =VALUE(RIGHT(A1,2))

 のように、数値化という作業が必要になります。この辺は、実際に作業を行っていただくとよくわかるはずです。
 
 関市、岐阜市、春日井市で市名だけ取り出す等取り出したい文字数が変わる場合、

 =LEFT(A1,FIND("市",A1)-1)

 のように文字位置を見つけ出して取り出すなどのかなり複雑なことも可能です。

 ある名称から一部を取り出すとか、数字から文字列を作り出す作業は、ニーズが少ないようですが意外とあるものです。ぜひお試しください。