今回は、バージョンアップしたOffice Web Apps を紹介します。
Office Web Appsとはマイクロソフト社の提供するオフィスソフト(エクセル、ワード、パワーポイント、ワンノート)がインターネット上で使えるサービスです。
3年ほど前にMicrosoft Office Live Workspaceとして紹介したものがバージョンアップしたものです。
利用料は無料ですが、Microsoftアカウントを登録を行う必要があります。以前はWindows Live IDと呼ばれていたものと同じなので、もし昔取得していたのであれば、それが利用できます。
このOffice Web Appsが10月下旬にOFFICE2013版になりました。パソコンにインストールするパッケージ版は2013年1月~3月頃に発売される予定ですが、Web 版が先行して使えるようになったわけです。
機能としては、全機能が使えるわけではありませんが、基本的な書類の作成や既存ファイルの修正には十分使えます。
具体的にそれぞれの機能をみるとエクセルはグラフ挿入や関数挿入は普通にできます。書式設定は普通のものはできますが、条件付書式はできません。独自の機能としてアンケート作成機能があります。これによって、ネット上でアンケートをして、その集計をエクセルにまとめることが可能です。これはGoogleドキュメントでフォーム作成ができたものとほぼ同等のことがOffice Web Apps でもできるようになったということです。
ワードは文字編集はもちろん、スタイルの適用や表や画像挿入ができます。余白等のレイアウトも設定できるようになりました。ただ残念ながら、図形挿入はできません。
パワーポイントが大きく進化しました。文字編集はもちろん、図形挿入やアニメーション設定、デザインの変更など基本的なことはできます。もちろん、その設定数はパッケージ版より少ないですが、ちょっとしたものならば、問題なく作れると思います。プレゼ資料をもちあるくといったニーズが高いところから強化されたのではないかと思います。
共通機能としては、他のユーザとの共有やサイトへの埋め込みができます。サイトへの埋め込みは閲覧のみですが、Office Web Appsにサインインすることなく見れるのがメリットです。共有は以前はエクセルのみだったのがワードとパワーポイントもできるようになり、共同編集を行いやすくなりました。
ファイルの保存はSkyDriveと呼ばれるオンラインストレージに保存されます。こちらも機能が強化されており、専用ソフトを導入することでパソコンの特定のフォルダに入れたファイルを自動的にWeb上にアップロードしてくれます。あらかじめWeb上で編集や閲覧したいファイルはこのフォルダに入れておけば、いざというときに困ることはないでしょう。
ブラウザ上で閲覧・編集できるので、対応ブラウザであればどんな環境でも閲覧できます。iPadでももちろん、閲覧・編集が可能です。ただし、既存資料をちょっと閲覧だけしたいんだけどという方にはiOS用のアプリも出ているのでそちらをおすすめします。
いいことずくめのように見えますが、欠点ももちろんあります。ブラウザ上で作業を行うので動きは遅いです。通信速度にも影響を受けますし、iPadのようなタブレットでは機種性能も影響すると思います。
また、ファイルがOffice2003形式(.xls.doc.ppt)の場合は一度、2007形式(.xlsx.docx.pptx)に変換されてから画面に表示されるためさらに時間がかかります。できれば、Office Web Appsで作業するファイルは2007形式にしておくほうが望ましいです。
機能制約や操作性の難点はあるものの無料で基本的なことができるのはとてもいいことです。現場で日報を付けるのであれば、エクセルのアンケート機能で実現できそうですし、安全大会や受入教育の資料をSkydriveに入れといて、iPadのようなタブレットで見せるというのも可能です。コンクリート打設時間や品質管理記録を技術部と共有するなんてこともできそうです。事務所に戻らなくてもできるといいなって作業があれば、ぜひ検討してみてください。