前回に引き続き、知っておくとちょっと便利なエクセル操作に関するお話しをします。今回から図形編です。
「図形なら建設会社ならCADを使えば」といわれそうですが、簡単な絵なら、エクセルにあるオートシェイプ機能を使うほうが楽です。
オートシェイプ機能とは[挿入]タブにある[図形]ボタンをクリックすると様々な図形が出てきます。線、四角形、基本図形、ブロック矢印、数式図形、フローチャート、星とリボン、吹き出しです。
また、線の中には多角形を作れるフリーフォームや自由曲線を書けるフリーハンドもあり、かなり凝った図もつくることができますが、やりすぎると時間の浪費になってしまいますのでほどほどにしましょう。(ちょっとした絵画を作られている方もいる!)
しかし、上手に使いこなせずに苦労されている方も多いようです。というわけで書くための準備編からお話しします。
準備(1) 作る場所と貼る場所を分ける
これが一番最初でいいかどうかわかりませんが、それなりにさまになる図形を書くのは慣れるまではなかなか大変です。そのため、お勧めするのが作業する場所を貼る場所と別にすることです。
具体的には作業用のシートを新しく用意します。そこでいろいろ準備と実際の作業をした後に最後に目的のシートに図形を貼り付けます。この際に作業シートの図形を残しておくとやり直しや部分修正も便利です。少し凝った図形や似たような図形を複数作る時には私もこの方法で作業をしています。
準備(2) 方眼紙を作る
次に図形での作業をするにあたって、作業環境を整えましょう。手書きの時には当たり前ですが、図形を書くときに方眼紙を使うことが多いです。
現場で野帳(フィールドノート)でメモを取る場合でも方眼紙は大活躍ですよね。エクセルでも同じことです。エクセルのセル幅とセル高さを調整して方眼紙を作りましょう。
ここで気を付けたいのが、セル幅とセル高さの単位が違うことです。セル幅は標準フォントの文字数、セル高さはポイント数になります。そのためにそのまま複数行を選んで行の幅を入れた数字と同じ数字を複数列を選んでセルの高さに入れるとつぶれた感じになってしまいます。
正方形にするためには2つの方法があります。
一つはピクセルで合わせる方法です。列名が書いてあるセルとセルの間にカーソルを持っていき、十字の矢印が出たら、そこでマウスの左ボタンを押し続けてください。セル幅が出てきます。その際に( )の中にピクセルという単位が表示されます。同じように行番号の間にカーソルを持っていき、十字の矢印が出たら、そこでマウスの左ボタンを押し続けてください。セル高さが出てきます。そこにも( )の中にピクセルという単位が表示されます。
ピクセルとはディスプレイに表示される点の数です。これを縦横共通になるようにしましょう。これで正方形の方眼紙をつくることができます。
もう1つの方法は表示を変える方法です。[表示]タブでブックの表示をページレイアウトにしてください。こうするとセル幅もセル高さもcmで表示されるようになります。設定もcmで設定できますので、複数列や複数行を選んで、右クリックし、セル幅もしくはセルの高さに同じ数字を入れると正方形ができます。
ページレイアウト表示は余白まで出てきてちょっと変な感じかもしれませんが、より方眼紙ぽいイメージなのとcmで指定できるので初心者にはわかりやすいと思います。設定が終わったら作業がしやすいようにブックの表示を標準に戻しておきましょう。
次回ももう少し準備についてお話しします。