前回に引き続き、コードの運用についてお話します。
コード運用に対する業務担当、システム担当の役割分担と情報共有についてお話ししました。今回は利用基準や仕様書についてお話しします。
コード利用基準
前回お話ししたようにコードの作成者であり、利用者でもある業務担当と漏れなくダブりなくコードを管理するシステム担当の役割をお話ししましたが、これらを利用基準としてまとめておくことが大切です。
コード追加できる権限や修正、削除できる権限、バックアップや全体チェックができる権限といった人間側とシステム側の機能としての対応付けをまとめておきます。いわゆるロール管理基準です。
また、コード作成時に把握すべき必須事項と任意事項もまとめておきます。マスタに関係することですが、コード作成後に再度、情報収集していては二度手間です。その情報を入手できる担当も明示して、セットで管理しましょう。
コードがシステムで自動生成できる場合は不要ですが、そうでない場合はコード作成責任者も明示する必要があります。コード作成のための情報収集者とコード作成者が異なる場合は特に必要です。
さらに、コード作成時、修正時、削除時の作業フローもまとめておくことで、どのような流れで行う必要があるのかを関係者がすぐにわかるようにしておくことが大切です。
コード利用手順
このあたりは利用基準というより、利用手順といった感じですが、担当が定期的に変わるケースはもちろん、属人的になった状態で引き継ぐときに役立ちます。
ちなみに削除といっていますが、実際そのままコードをシステムから削除すると過去データの確認の際に不便なことになること多いです。そのため、ここでの削除はシステム上で一般の利用者が見えなくして、実質利用不可にするといった意味です。これをしても、影響のないコードかどうかを判断する必要があります。
なのでコード作成、修正、削除で関わる人も異なると思います。作成時と修正時は営業や購買の実務に携わっている人が中心ですが、削除は幹部クラスの経営に関わっている人が中心となります。
つまり、作業フローは場合に応じて、担当ごとに流れを作って、必要に応じて横に連携させるといったスイムレーン型のフロー図が望ましいと思います。誰が担当なのかと誰につながるのかがまとめて分かるので便利ですよ。
コード仕様書
同じようにコード仕様書もまとめておきます。桁数や文字種類といった項目制限や有意コードがある場合のその意味といったものをまとめておきます。
特に有意コードでアルファベット組合せが条件だけだと、意味のない組合せが可能になります。結果として、本来有意コードとして、意味のあったアルファベットが無意味になるのは残念です。
英語の略称だったり、ローマ字の頭文字だったりと意味を持たせるのであれば、その意味を仕様書と別にまとめておくこともおススメします。まとめておくことで重複が避けられることができます。
知らない間に同じ略称を違う言葉で利用していたなんてトラブルも避けることができます。先ほど話したように、コードは削除ではなく、非表示が原則になるので、重複したコードを作らないためにも有意コードの管理は重要だからです。
このコード仕様書については、いつでも関係者が見れるようにしておくことも大切です。コードの作成・修正・削除に関係する人だけなく、コードの利用者にも間違った入力を減らすためにも意味を知っておくことが重要だからです。
システムにオンラインヘルプのような形で見れるのがいいとは思いますが、難しければ、システムが利用できるパソコンから共有できる場所に保存しておき、システム利用時に見れるようにしておきましょう。新人や中途採用の方にとっては絶対ありがたい情報だと思います。