現場に役立つエクセル関数(その2)

 前回の8個の関数は、いかがでしたか。この関数だけでかなりのことができますね。現場では、まだまだ電卓をたたいて紙に書く習慣が多いのですが、エクセルで一工夫することによって効率化を図る余地はありそうです。ぜひみなさんで情報を共有して、ミスなく楽に仕事ができるようにしましょう。

 さて、今回はIF関数を中心とした条件付き関数について説明します。プログラムのような難しいやつ!と敬遠されがちですが、これが使えるとかなり応用が利くようになります。チェックミス・作業手間を減らす重要な関数ですから、ぜひ使っていただきたいと思います。

 

まず、IF関数の入力形式ですが、
 
=IF(条件式,あっているときの処理,間違っているときの処理) (※実際入力する場合、英数字・記号は半角)

と書きます。例で言うと、A1に入っている数字が100より大きい場合はOK、そうでなければOUTという場合は、

=IF(A1>100,"OK","OUT")

と入力します。" はダブルクオーテーションといい、文字をセルに表示するときに使います。

 この式をB1セルに入れておくと、A1の数字が101ならば、OK、99ならOUTとB1セルに表示されるようになります。

 現場では、鉄筋のかぶりが100以上あるかどうかを確認するとき等に使います。一般企業であれば、ある検査結果が100以上になっていれば合格という場合です。
 エクセルでは式のコピーが容易なので、1行だけきちんと精査すれば、あとは何千行あっても一瞬にして式をコピーすれば判断結果がでます。ミスもありません。使いまわせる出来形検測のようなものであれば、再利用することで、更に効率があがります。

 条件式の設定はAND、OR、NOT関数を使うとかなり複雑なこともできますし、ひとつのセルにIFの入れ子を使うことで、複数の判断を盛り込むことも可能です。詳しくは、エクセルの市販本かインターネットでご確認ください。画もありますので、わかりやすいはずです。(文章だけだとうまく説明できず申し訳ありません。)

 また、このほかにも

条件に一致するセル個数を求めるための
 COUNTIF(範囲,検索条件)
条件に一致するセル合計を求めるための
 SUMIF(条件セル,条件,合計セル)

があります。これらを上手に組み合わせれば、計測データの合格個数や合計を出したり、注文詳細データから特定の商品の個数をとりだす等も比較的簡単です。また、普通の四則演算と組み合わせると、一定金額以上は送料無料にする設定で合計金額を出す、注文量に応じて値引き額を変更するなどにも利用出来ます。

 IF関数を使う際の重要なポイントは、最初の1行を念入りにチェックし、思った通りの結果を表示するかどうか確認することです。複雑な条件式になればなるほどチェック時間がかかりますが、繰り返し作業が多いもの、転用が利くもの、他の人に役立つものならば、チェック時間を挽回してくれるはずです。「急がば回れ」の気持ちでしっかりチェックしてください。

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